海界の村を歩く
第4話 佐渡島
 
真夜中の新潟港から佐渡へ

今回は佐渡島を巡ります。いらかぐみの太泉八雲さんと一緒。去年からいきましょうと言っていてやっと実現しました。
当初、公共交通機関を使って島に渡りレンタカーを考えていました。ところが、ちょうどマイカーを工場に出しており、代車が日産マーチなので、
これはガス代もフェリー代も安いぞ!ということで、久々に東京からクルマで行くことに。。。

昨晩東京を出て午前2時頃新潟港に着きました。フェリー乗り場で仮眠し、9:25出港! 三連休で船は満席です。
9:25のフェリーへ夜中の2時からならんでいたのでほぼ最初に乗船することができ、下船のときも最初に早く出られてラッキー!両津の寿司屋さんで腹ごしらえ。ここでお酒でも一杯飲みたいとこだけど、夜まで我慢我慢。

両津の寿司屋で昼食
 

新潟港フェリー乗り場にて夜明け前

新潟港→両津 フェリー二等客室内部

外海府海岸 戸中集落

大佐渡 外海府海岸
地形の荒々しい漁村集落

 
両津より島北部東側の内海府海岸をずっと北上します。雨だぁ(泣)。ポツポツと集落があって屋根妻面の装飾が面白いけど・・・北の端までいってもめぼしい集落はないなぁ。よーし、西側の外海府海岸にかけよう。佐渡島最北の弾崎で西へ回り込み、外海府海岸を南下します。

袖ケ浦ナンバーの日産マーチ(代車)

地形は東海岸とは一転して岩石断崖系へ。日本海の外海に面する海岸線はという荒々しい景勝地が続きます。二ツ亀、大野亀と奇岩を見下ろすように海岸段丘上の水田地帯を走り、ぐぐっと海に下ったところに我々の目をひきつける集落が登場!
外海府海岸は先日行った礼文島の西海岸の地形とよくにてる。断崖絶壁の間に集落が形成されている。最初に現れた北鵜島はまさにその絶景の自然の中にある集落でした。本日初めてクルマを下りて歩きます。グレーの板壁、背景の緑、前面の青い海と荒々し岩石、北鵜島の印象です。

その後も同様の集落は続きますが、取り上げるに足らず。自然の景観は素晴らしい。という中で
板壁が綺麗な南片辺という集落があったので歩いてみた。海岸線近くには舟屋が数棟並ぶところもあったけれど、そのそとにがっちりとした防潮堤が築かれていた。

もうでてこないかなぁ。早くも弱気。それは夜通し走ってきて疲れているからなのでした。こういう時は、多少良くっても「まぁいいか」ってやり過ごす危険性があります。だから頑張ってクルマを停めて歩こうという強い意志をもたなければなりません。こういうことが歳をおうごとにできなくなってくるんだなぁ。

でもでも、海岸段丘の上から下へ向かって大きく架けられた橋を下っていくと
「あった!」とてもやりすごすことのできない集落が!
戸中集落。外海府海岸らしく、断崖や岩石に囲まれた
すごいパンチの効いた掘り出し物です。この画像では表現できていませんが、☆☆☆☆おめでとうございます!

初日は戸中で力つきました。まだまだありそうなのに、早く宿へ行って風呂に入ってビール飲みたい。。。おやじ!
相川の手前に
姫津・達者という面白い名前の集落があり期待できそうでした。でももう暗いから明日にしよっと。

相川の旅館。約束通りお風呂に入って一杯飲みながらご馳走をいただく。
おいしいお米とおいしい日本酒に感動!
翌朝早く起きて達者と姫津を歩きました。

 


外海府海岸 大野亀島

外海府海岸 北鵜島集落

外海府海岸 南片辺集落

外海府海岸 戸中集落

外海府海岸 達者集落

相川 海岸線に沿った下の町は町人の町
金山の門前町相川と
金の運ばれた港町・街道町
 
達者・姫津を歩いた後一度宿に戻って朝ごはん。太泉さん、何倍おかわりしましたぁ。

さあ、今回の町系のメインが
相川です。相川は江戸時代から栄えた天領佐渡金山の町。この町の特徴として、丘の上と下で町がはっきり分かれてるところが面白い。最初、下の町ばかり歩いていて丘の上に町があるとは気づいてなかった。同じレベルだと思っていたんですが、何と立体なのだ。海岸線沿いの低い町が商店街、それに直交する丘の上が代官所と屋敷町。屋敷町をずっと上がって行くと金山です。

まず、町はずれにある水金遊郭跡からはじめましょう。
はやり遊郭は町から外れたところにあるもんなんですねぇ。残念ながら余り残ってはいなかった。

長い下の町にあたる町人町を片っ端からから歩きます。ちょうど上の町へ上る道が分かれる辺りに
郵便局や木造三階建て旅館があったりして中心ぶりがうかがえます。見どころはこの分岐点周辺と南方の町人町。

相川 なんで逆さなんだこの看板
佐渡島は実は珍百景の巣窟

相川 下の町から上の町へ上がる途中
洋館をバックに万訪の図


坂を上っていくと代官所跡。そこから尾根筋を金山へ向かって屋敷町・職人町が形成されている。町並みそのものはたいしたことはないが、町の成り立ちが面白い。そして振り返ると町のバックに日本海が広がっていた

金山へはクルマで上がっていきます。わりと町から近かった。金山は佐渡観光のメッカ。観光バスがたくさんいる。こうなると一気にひいてしまう二人。
観光地には興味なく・・・うーんパスだ。どっちかというと直ぐ下の鉱山の方に興味ありです。実ははここから相川の丘の上の町への間に近代化遺産の建物がたくさん眠っているそうな(立ち入り禁止だった)。
 
相川から南へ西海岸を南下します。相川から北の海岸沿いはいかにも漁村って感じでしたが、相川から南は街道町っぽさが加わってくる。二見には出し桁造り系の町家が多く並んでいました。どことなく遊郭っぽい?そう、相川の港だった二見には遊郭があったそうです。


佐和田 酒蔵で試飲する太泉の図

真野湾の町、佐和田。酒蔵訪問二軒目です。ここで造ってる酒を片っ端から試飲する太泉氏。試飲といいながら一合は飲んだでしょう。運転は万訪がしますのでご心配なく。
太泉氏、この後、真野新町の酒蔵でもたくさん試飲してました。ところで酒蔵の売り子さん、ハーフ?どこかで見たことあるなぁ。そうだかのジェンキンスさんの娘さんだ。さて、どんな人だったか覚えてるかな?数年前によくテレビのニュースに出てましたけどね。
 

相川 水金遊郭跡

相川 丘の下の町

相川 丘の上の町

自然で割れたのでなく金採掘でこうなった

近代の鉱山

二見の旧港町の町並み

宿根木の家並み全景
小木半島の港町・漁村
 
真野湾を後にし、小佐渡西海岸をさらに南へ走ります。佐渡の南端小木町は港町小木を付け根とした半島で、地形の険しい海岸線の漁村集落が期待できます。中でも宿根木は北前船の廻船業で栄えた集落で、以前ここだけには来たことがあった。

小木半島西岸の漁村を一つ一つ巡り、先端近くの
沢崎が面白そうだったのでじっくり歩きました。海岸線に対して直交する谷に沿って深く入り込む形の集落でした。

宿根木は明日の朝に取っておいて、二日目の最後は
小木で締めくくりましょう。小木は直江津との定期船が通じてる港町であり、古くは北前船の重要な寄港地だった。湾に沿って発展した町は円弧状バームクーヘンみたいにできています


民宿高山の夕食 すごいでしょ!

三日目の朝です。きょうは晴れた!でも晴れてると思うと突然雨が降る。虹が現れたりして気まぐれな天気です

宿根木
やっぱ重伝建地区ですねぇ、すごい町並み度。前より家々の修復工事が進みましたかね。石置き屋根が増えたような。。。

宿根木 カメラを構えている太泉氏
 
 

小木 円弧状の町並み

小木 町並みの裏側があらわになっていた

宿根木高之山地区にある民宿高山に泊った

宿根木 舟形の家

赤泊 北前船と本土からの玄関口として栄えた町
小佐渡東海岸 本土を望む町
 
両津−新潟、小木−直江津、そして赤泊には寺泊への定期船がでています。いずれも佐渡の玄関口としての歴史をもっています。中でも
赤泊は万訪にとって最も歩きたかった町。うーん、期待を裏切らないいい町並みでした。そこには清酒北雪の酒蔵もある。また、町の真ん中に望楼を上げた洋風の町家があって、ランドマークになってました。

展望台の駐車場トイレ前にいた眠り猫

赤泊から両津へ、小佐渡の東海岸を北へ走ります。このエリアは全くの町並み未知ゾーン。ところが多田という町で次々に見応えある建物が現れました。クルマでロケハンしたらこれは掘り出し物だ!
この町にはかつては定期船が航行していたそうで、街道の分岐点でもあり、一時はたいそう賑わっていたであろうことが町並みの姿から容易に読み取れます。遊郭らしき建物が川沿いに並ぶ一角もあった。

多田のすぐ隣の松ヶ崎もいい!ここはかつての宿場町。太泉系の町並みがどんどん出現してきます。出玉オッケー!

松ヶ崎
 


赤泊の町並み
適度にうねっていてシークエンスがいい

松ヶ崎の洋館を持つ大きな民家

多田の町並み

上が外海両津湾で下が加茂湖という塩水湖
両方の水に挟まれたのが両津
水道の右が湊町、左が夷町
佐渡の玄関口 二つの港町
 
佐渡島を反時計周りに一周して両津へ戻ってきました。日本一大きな離島というだけあって、たっぷり二日半かかりました

両津は、海と加茂湖(海水湖)との間の細長い洲上に形成された町。海と湖をつないでいる水道の東側が湊町、西側が夷町という地名になっています。そして
それぞれの町には港があった。これが、地名の両津が生まれた所以です。湊町にはフェリー乗り場や行政施設、洲上の尾根道には物販系の商店が多い。一方、夷町のほうは飲食店中心。夜もネオンなどで活気があります。
両津にはかつて大火があった。おそらく、それは湊町側だったのではないでしょうか。夷町には昔ながらの建物が多く残されています。

これにて佐渡島の町並み探訪を終わりにします。


佐渡島のマスコットは何でもかんでもトキ
「また来てくれっちゃ」


16:05両津発新潟行フェリー。海の上で日没を迎えました。1日目は万訪系の漁村集落を、2日目はメジャーな相川や宿根木を、3日目は太泉系の町並みを。それぞれ互角に集落系、町並み系という料理を提供してくれた佐渡島。隅から隅まで、ほぼ完璧に廻りきることができました。ありがとう佐渡島!!

 
    

両津 湊町

両津 夷町

両津 夷町