戸中
南片辺
外海府海岸 断崖絶壁に囲まれ駆け上がる集落

新潟県
佐渡市
(旧相川町)
戸中
南片辺





交通






戸中


南片辺





2010.10.09
大佐渡(北部)の西側にあたる外海府海岸。海岸段丘が永い年月をかけて日本海の荒波に削られた地形が続くが、集落との組み合わせで最も特徴的といえるのが戸中集落である。県道は、集落の両端の崖地を越えるのに苦労しており、一方は大げさな橋をかけて下り、他方はトンネルで抜けている。それほど険しい絶壁で囲まれた集落である。
集落の北側半分は平地にやや広がりがあるため家々が密集していて、中央に寺院もある。しかし、そのスペースをはみ出た家屋は崖を一気に駆け上がって、海岸段丘の上部にまで達している。一方、南半分は崖と海岸線との間の斜面に細長く形成された集落で、前後の高低差が激しい造りになっている。いずれも岩肌を露出した崖地を背景に荒々しい景観を呈している。

佐渡島・・・
わが国の離島中最大、北陸道七国の一つ。北側に大佐渡山地、南側に小佐渡丘陵が並行し、その間に地溝帯の国中平野、沿岸に河岸段丘が発達した島である。中世の守護本間氏は河原田獅子城、のちの真野壇風城を築城、1573年(天正1年)〜98年(慶長3年)まで上杉氏が支配、徳川氏は直轄領として佐渡奉行を相川に置き、相川金山経営に力を注いだ。古くから罪人配流の島でもあった。

集落南端部。背後の絶壁が海岸に迫ってきて、宅地は凹地にはまるようにある。県道はこの先をトンネルで抜けている(左上)

集落南部の高低差のある地形(左下)

集落北部の崖を駆け上る家々(上)

絶壁の凹地に家が挟まる(左上)
駆け上がり集落部に上っている道(上)


急斜面上の集落(左下)
その集落内の道(上)

北部の広がりおある部分。中央に寺が見える。背後は崖上に駆け上がっている。(左上)
雪対策で蔵は板壁や建具で覆われる。(上)



崖途中の家を下から見上げる(左下)
崖の中に横穴を掘って貯蔵庫か何かに浸かっていたのであろうか。佐渡では田の集落でも見かけることができる。(上)

戸中の北方にある南片辺。浜辺に沿ってかつての舟屋が残る集落。路地の風景が美しかった。
参考資料 リンク
佐渡市


参考文献