中之島は、ちょうどロイヤルホテルの東側から中央公会堂に至るまでの間が戦災を受けておりません。ホテルを出れば早速取材開始となります。
まずダイビル本館。数年前に建て替えが発表されて久しく、すでに姿がないものと思っていましたがまだ残っていました。近々取り壊しになるとのこと。内部はまだ入ったことがなかったのでラッキーでした。ダイビル本館は、外壁はもとより内部空間もかなり当初のまま。壊すのがもったいない。しかし、周りはすっかり超高層ビル群です。今まで残っていた方が奇跡かもしれませんね。
土佐堀川の筑前橋には市立科学館+国立国際美術館がありますが、橋詰めの川沿いには戦災を免れた木造家屋が四棟並んで健在でした。
土佐堀川の南側、土佐堀1江戸堀1も中之島同様に非戦災地区。土佐堀通り沿いの近代建築とビルとビルの間に町家も残っています。
中之島に戻って日銀大阪支店、そして中央公会堂は誰でもよく知るところ。御堂筋大江橋を梅田方面へ渡ります。御堂筋の西側はかつての遊郭北新地、東側は非戦災地区の西天満。そこに変わった形の近代事務所建築を発見しました。大江ビルヂング!鋭角の交差点という立地を生かしたデザインといいますか、コーニスが和風屋根のようになっていてユニークな建物。そんな外観よりも内部に入ってさらにびっくり。エレベータこそ改修されていましたが、それ以外は古いまま。トイレも流しもテナントポストもなにもかも。大阪の近代建築ってすごいですね。
堂島川に沿って東へ進みます。中之島の最東端、大川が堂島川と土佐堀川に分岐する辺り、天神橋北詰の付近にある菅原町ですが、ここから北へ南森町付近までが非戦災地区です。菅原町は堺筋、松屋町筋、堂島川で囲まれ阪神高速の環状線と守口線とのジャンクションの真下にある町。狭いエリアなので期待薄で訪れましたが、どうしてどうして素晴らしい。堀沿いに建つ蔵や町家がかなり残っています。旧堀沿いだけに掘り出し物!
タクシーを拾って南下、中央大通りをずずっと東へ移動します。JR環状線森ノ宮駅を越えて緑橋付近で降りました。
JR環状線の東側は戦災を免れた街が少なくありません。同地域は大正期以降に開発された工場地+住宅地で同じような造りの戦前住宅による町並みが見られます。ここ緑橋の交差点に近い東中本町、中本町1丁目のもそうで、予想通り見事に戦前住宅地の町並みが残っていました。中本界隈は、環状線以東でも屈指のエリアと言えるでしょう。
北陸と大阪を組み合わせた旅はこれにて完。連日歩き通しの足はもう限界です。大阪の詰めは今月末にもう一度やりますので、今回は早めの新幹線で帰ることにします。
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中之島(大阪府) |