紀ノ川紀行T<いらかぐみミニオフ会> (2004.10.02)
 

早朝の飛田新地探索はバッチリ。気をよくして南海新今宮駅から高野山極楽橋行きの高野線急行に乗る。
急行電車は子気味よいスピードで走り殆どの駅を通過してくれる。所要時間は30分強で三日市町駅に到着した。ここまで来ると大阪府でも山に近い。東京で言えば京王線に乗って八王子に来たような感覚である。
三日市駅前は大掛かりな工事をしており何もなかった。今日はここで「いらかぐみ」の関西メンバーと合流し、葛城山越えての紀ノ川紀行である。これからどんな町並みを見ることができるのか心躍る。待ち合わせの時間まで少々あるので三日市の町並みを軽く歩いてみた。駅に戻ると丁度8:30。そろそろ七ちょめさんのマークUクリオスが登場するはずである。

 
三日市(大阪府河内長野市)
集合時間ピッタリに皆さんがやってきた。流石である。車をJA駐車場に預けて早速町並み探索を開始する。七ちょめさんとKさんの解説を聞きながらクネクネした旧街道をガヤガヤしゃべりながら歩く。「提灯が邪魔だなぁ」「ここで提灯のデザインが変わったから町内会が変わったやな」と七ちょめさん。「この郵便局、ちょっと前まで良い感じやったのにかわら葺き替えてしまった」「おっこの家この前まで茅葺だったのに」などなど。人の家を見て勝手なことを良いながら町を歩く。これが「いらかぐみ」なのだ。5月のオフ会以来の懐かしさである。
滝畑(大阪府河内長野市)
滝畑は昔の日本の町並みに取り上げられていた集落で、ずっと前から気になっていた場所である。大阪府内といえどもかなりの山奥で、なかなか鉄道の旅行では訪れることができなかった。今回は「いらかぐみ」関西メンバーが車を出していただいたので是非行きたいと要望を出していた。
あの本が書かれてから30年近くたっている。草葺の家などもうないであろうと思ったが、保存されているとはいうものの結構残っていた。隔絶性の高い山村ならではの特徴的な集落が見られて大満足大満足!。
名倉(和歌山県高野口町)
滝畑からカーナビが絶対案内できない林道で葛城山系蔵王峠越えを要求する。しかしこの道がかなり狭い。結果的に運転する七ちょめさんに大変ご苦労いただくことになってしまった。
峠を越えると紀ノ川の平野に向けて急斜面を降りていく。途中、「天界の村がありますよ。寄って行きますか?」という私の誘いに皆さん快く?同調してくれた。
山を降りると高野口の町。昼食を食べて旧街道の町並みをみんなで練り歩く。漆喰の町家に混ざって昭和レトロを決め込んだ理髪店を発見!。私が感動していると横で西山さんがうなずいている。最後に木造小学校を発見してメンバー一同感動。なかなか意外性のある町であった。
橋本(和歌山県橋本市)
旧大和街道を東へ辿ると橋本の町に入った。中心部から遠くに車を置き、旧街道沿いにアプローチを楽しむかたちで町に入っていく。河岸段丘上と下を登ったり降りたりしながら旧街道を東へ進む。途中、橋本川を渡るがとんでもなく高い堤防を越える。その堤防の上から旧大和街道のアーケード商店街を見てKさんが「こりゃいいぞ」と叫んでいる。しばらくアーケードを歩いていくと駐車場の空き地の向こうに木造3階建てが。またKさんが叫んでいる。橋本は道路が整備されず高い密集度を保ったまま現在に至っていること、起伏があることで非常に歩いていてシークエンシャルで面白い町だ。数日後、叫んだ場所の絵をKさんはちゃんと仕上げている。
紀伊清水(和歌山県橋本市)
感動の橋本を後にして紀ノ川を渡る。高野街道の渡し場として栄えた橋本の対岸の清水町。川っぺりの一直線の町並みは一軒一軒のゆとりがある町並みである。しかし許しがたきことに、町の丁度中間部分を紀ノ川を渡る新しい大橋が分断しているではないか。なにもせっかく残っている町並みを分断することなかろうに。全く不愉快である。
九度山(和歌山県九度山町)
名倉と橋本で結構時間をかけてしまったため太陽が傾いてきてしまった。もう一箇所が限界か。
九度山は先ほど訪れた高野口の紀ノ川の対岸で高野山登山の玄関口。小高い丘の上と下に展開するコンパクトな九度山の町並みは歩いていて楽しい。民家も立派な造りで一軒一軒がしっかりしている。かつてよほど繁栄したのであろう。

今回、何処へ行っても高野山へ向う街道ばかりであり、高野山がいかに重要なものであったのかを知ることができた。次回も紀ノ川紀行を続けたいと思う。
「いらかぐみ」に皆さん、ご案内いただき、ホンマオーキニ!ありがとう。