橋本 高野街道と大和街道の交差点 坂のある密集都市

和歌山県
橋本市
東家2,4
橋本1,2
古佐田1,2




交通

南海高野線橋本駅、JR和歌山線橋本駅下車






橋本
 橋本は大和街道(伊勢街道)と高野街道の交差点として、近代は鉄道南海高野線とJR和歌山線の交差点として、紀ノ川の渡し場として、舟運の河港として、この地域の水陸の重要な交通結節点であり、古くから物資集積の要衝地であった。市街地は橋本駅の南側に展開しているが、水陸交通の要衝としての発展過程からそうなったものか、約9mある紀ノ川の河岸段丘の上下にまたがって境目なく家屋が密集している。
 西から市街地に入ってくると河岸段丘上の大和街道沿いに東家町の町並みが続き橋本川を渡る。橋本川の両側には川に家がはみ出さんばかりに建っていたが、近年の洪水で大規模な河川改修がなされ今は見ることができない。橋本川から東側はしばらく大和街道にあたる本町商店街のアーケード(段丘下)を主軸に町が形成され、看板に隠れて大きな商家が確認できる。アーケードは広其寺前で突き当たり、街道は紀ノ川沿いへとシフトする。広其寺門前は木造3階建ての料亭や旅館建築が残っている。この辺りから東側は駅前エリアでもあり町がさらに複雑化し厚みを増してくる。通りは細く入り組んで、坂の上下に古い家が密集しており、店舗や医院など様々な業種の町家が軒を連ねる。
 駅前こそすっきりと整備されているものの、橋本町や古佐田築は駅前エリアでありながらよくもここまで残ったという印象を受けるほどだ。橋本の町並みは、その密集度と起伏と迷路性が大いに魅力的で、その先に何があるか期待感を持たせてくれる町並みである。
大和街道東家町の町並み(左・左下・下)

橋本川の東側の大和街道は「本町商店街」という可閉式屋根のアーケード。比較的大きな商家が建っている(上・左上・下))

広其寺前には木造3階建ての料亭「吉兆」が建っている。(左)

広其寺門前の町並み(左)

橋本町・古佐田町の町並み。
橋本町・古佐田町の町並み。

軒下の意匠が不思議な洋風建築(左)。

橋本町・古佐田町の町並み。
参考資料 リンク
橋本市

参考文献
『日本の町並みT 近畿・東海・北陸』 西村幸夫監修 平凡社