東奔西走 2012 その2

2012年後期の東奔西走です。あいもかわらず「にっぽん集落町並み縦走紀行」に熱中している合間に、ちょこちょこと出かけた旅を集めました。DataBaseの解説がチンケなのはどうかお許しください。

福岡探訪 
呉服町(福岡県福岡市)
2012年6月

戦災のない福岡の上呉服町。4月にも歩きましたがその時は夜だったので、改めて昼間に歩きます。朝早くで気持ちがいい。
やっぱりこの酒屋さんの一角がいいね!
ところで、戦災のない福岡ですが、駅前通りの西側
冷泉町にも残っています。晩飯食べに行った暗がりなので取材しませんでしたが、次回是非歩こうと思います。
 

今度は昼歩く!
天神(福岡県福岡市)
2012年6月

福岡市内の天神町は、言わずもがなの中心地。近代的なオフィスビルばかりだと思いきや、高度成長期のビルディングが天神交差点周辺にどっかと腰を据えているではありませんか。この福岡ビルは、金属板多用の内外装で、おそらくアルミをいち早く使用した建物の一つではないでしょうか。見てよこの1階天井。
オールアルミスパンドレル板です。後年改修せず当初の状態を守っているのもすごい!
 

天神 福岡ビル
 
大宰府(福岡県太宰府市)
2012年6月

大宰府といえば、いつも訪れるのは早朝だった。なぜか。学生時代、九州島内の夜行列車を使って南北東西を移動し宿代を浮かせる旅をしていましたが、そうすると必ず博多に早朝着きます。
だから大宰府な早朝に訪れる羽目になっていたというわけ。しかし、朝早いというのに梅ヶ枝餅は売っていましたね。今日も当然食べましたが、、、町並みこんなだったんだ。25年前の記憶とは全然つながらなかった
 

大宰府 天神さまの門前町
ぶらり房総先端 
那古布良(千葉県館山市)
2012年6月

愛車万訪号(E51)を車検に出すため、アクアラインを渡って千葉県袖ケ浦市にあるチューニングショップへ行き、台車で房総半島の先端の集落を訪れてみました。
なんせ、燃費がいいマーチなので走りたくなるのです。
内房那古、船形、外房布良を取材しました。単品では今一つなのでまとめました。
 

館山市 布良
対馬 食べ残し紀行 
厳原(長崎県対馬市)
2012年7月

二度目の対馬.。ほぼ網羅している長崎県でなぜかたくさんリストアップされていて、多く食べ残しているのが対馬です。随分前に歩いていますが
、南部がその食べ残しエリアです
まずは厳原。もちろん歩いていますが、前回は知人と一緒だったので十分に歩けていない。手薄なエリアを重点的に歩きます。街は直線の道路と蛇行する川との間並びに周囲に広がっています。対朝鮮半島の重要な防衛拠点であり、朝鮮通信使をもてなした町でもある。武家屋敷の石塀が現在でも多く残っています。
そして、こんな遊里が!
対馬の特徴である石塀とスナック街との取り合わせが新鮮です
 

対馬 厳原の遊里
豆酘(長崎県対馬市)
2012年7月

この地名「つつ」とは読めないでしょう。対馬らしく、集落の離れた場所に小屋だけ集められていました。対馬では火災から大切な家宝を守るために
蔵を居住エリアから離して集めて建てる風習があります。北部の鰐浦なんかは見ごたえがありますね。川や海に近いのはすぐ水をぶっかけられるからでしょうか。ミニチュアな町並みみたいで面白いです。
 

対馬 豆酘瀬の小屋群
久根田舎(長崎県対馬市)
2012年7月

対馬南部の日本海岸を走りますが、結構険しく集落同士の隔絶性があります。山超えたら、
おっと!石屋根が現れた!
石屋根といえばこの先にある椎根という集落にある石屋根小屋群が有名ですが、そのつながりで周辺部にもみられたんだ。前回、気が付かなかったことです。今回の収穫だ。

改めて対馬の印象をまとめると。
とにかく美しい石塀と木の小屋(蔵)ですね。小屋は鰐浦や椎根のように一箇所に集められている(火災から守る)形態がすべてではなく、今回歩いた集落でもツツ(字が出ない)のように、点在しているあるいは家の敷地内にある場合もある。そして南部の西海岸へいくと鉄平石が現れ、石塀や屋根に使われている。
これで対馬は完璧でしょう。はぁ疲れました。マッサージ頼もうっと!

対馬 久根田舎の石屋根小屋群

対馬 椎根の石屋根
明石〜神戸〜有馬 
明石(兵庫県明石市)
2012月8月

明石は明石海峡大橋ができる前に四国へ渡るときにフェリーに乗ったことがあり、二度目は淡路から明石へ渡りました。しかし、明石海峡大橋の開通後は
ただの旧港町という感じで寂れています。漁村地区と港の周りを探索しました。港を見渡す小高い丘があって、おそらく番所があんたんでしょう、その所に古い民家があったりして、そこだけかな見どころは。
 

明石 港町の高台
兵庫(兵庫県神戸市)
2012月8月

神戸の市街地というのは、海と六甲山に挟まれているため東西にしか拡張できず、したがって
西から東へと発展していった歴史があります。江戸時代の街だった兵庫津といえばJR兵庫駅近くの和田岬。現在は、三菱重工業と三菱電機の工場があって、病院の名前も「三菱神戸病院」、まさに三菱の企業城下町です。
 

兵庫和田岬 三菱の企業城下町
有馬温泉(兵庫県神戸市)
2012月10月

有馬温泉といえば大阪神戸の奥座敷。六甲山の裏側の閑静な温泉街です。いい町並みがあると聞いたので早朝歩いてみました。新神戸駅から六甲山をトンネルで抜けることができるので、割と近かった。
有名な温泉街だからさぞ大型ホテルが林立していて風情などないだろうと思っていましたが、いやいやそういうホテルは外周に控えていて、
真ん中は昔ながらのいい感じの温泉町が維持されています。素晴らしいです。
でも、超狭い通りをクルマが頻繁に通るのにはびっくりしました。
 

有馬温泉 近代的な中にいい町並み
沖縄ぶらり 
備瀬(沖縄県本部町)
2012月8月

今、沖縄本島に観光で行く人は、必ずと言っていいほど美ら海水族館へ行くでしょう。本島中西部、本部半島の先端。その水族館の近くに備瀬という集落があります。この集落は、防風対策として植えられた
屋敷林フクギの町並みです。というのは、フクギが立派すぎて建物が見えない。ここから北へ海を渡ると伊是名島がありますが、伊是名でもここまでフクギで覆われていませんでした。住んでいる人が少ないようにも見えたので、手入れがされていないだけなのかなぁ。
 

沖縄本島 本部半島の備瀬集落
那覇栄町(沖縄県那覇市)
2012月10月

このところ沖縄の那覇には月2度のペースで来ています。朝一番の飛行機に乗れば那覇空港に9時台に着きます。わずかですが、市内の街を歩くことができる。しばらく首里城の周りや牧志界隈を歩いてきましたが、
ネタ切れ。そうだ、夜の街である栄町を歩いていませんでした。
ゆいレールで、安里(あさと)駅で降ります。
碁盤目状の町にはスナックがひしめいている。コンクリートに色を付けた沖縄ならではの建物です。昨日、縦走紀行で函館から戻ったばかりなので、不思議な感覚だぁ。
 

那覇 栄町社交街
相模攻め 
強羅(神奈川県箱根町)
2012月9月

DataBaseの神奈川県は割と残ってる。娘がどこかへ行きたいというので、箱根へドライブに出かけました。御殿場から乙女道路を登って仙石原へ、そして強羅に着きました。強羅といえば、箱根登山鉄道を使った周遊観光で必ず通る箱根観光の拠点みたいな町です。しかし、今まで町並み探訪として歩いていませんでした。強羅温泉から強羅公園にかけては
、自分が幼いころに家族旅行で来た場所。そこをわが娘と一緒に歩くも、まったく以前の記憶は蘇りません。強羅公園と強羅駅の間の公園坂に古い町並みがちょこっとありました
 

箱根強羅 公園坂の町並み
畑宿(神奈川県箱根町)
2012年9月

畑宿は箱根寄木細工の工房のある町。旧甲州街道沿いということもあって、いい町並みがあると想像されがちなのですが、、、ないのです。旧東海道の石畳が残っていて
街道っぽさはあるんですが、建物がねぇ。しかし、DataBaseには載せておきたい場所なんだなぁ。

箱根畑宿 旧東海道の寄木細工の町
走水(神奈川県横須賀市)
2012年11月

時は変わって11月、三浦半島を仕上げに出かけました。金沢八景に伊根子安のような水上集落があると聞いたので、いてもたってもいられず。。。
まずは、観音崎の近くの走水集落から探訪。東京湾に突き出した半島上にあるため、
横須賀から横浜、対岸の房総半島にかけて実に眺めがよろし
 

走水 東京湾に突き出した集落
浦賀(神奈川県横須賀市)
2012年11月

浦賀に立ち寄ってみよう。浦賀は、入り江地形を活用して大型船のドックをつくり、その周りに町が発達しました。
黒船に乗ったペリーが上陸した街として超有名ですね。ドックはもう稼働していませんが、入り江を挟んだ町の構造は面白い。向こうの人が見えるほど近い対岸との間を渡し船が頻繁に行き来している。町に中には石蔵が目立ちますが、これらは関東大震災以降に造られたもの。それ以前の蔵は土蔵ですが、地震で崩れ折板で覆われているものです。その折板がどれも錆錆になっていて、これもまた良い
 

浦賀 関東大震災後の石蔵
 
金沢八景(神奈川県横須賀市)
2012年11月

おっと、浦賀で時間をつぶしすぎた。日が短くなりましたね、15時台でもう夕方のように思える。金沢八景の野島というところにある舟屋集落が今日の最大の目的でしたから、やり過ごすわけにはいきません。
規模は子安ほどではありませんでしたが、
背景になってる山の緑と静かな水面とに挟まれた集落の風景はなかなかなものでした。
ここから、国道16号線の方へ戻る途中に金沢八景の中心市街があるのですが、実はそこにいい町並みがあった。こっちはやり過ごしてしまったので、またいずれ訪れましょう。
 

金沢八景 野島の舟屋集落
越前ぶらり 
松岡(福井県永平寺町)
2012年9月

永平寺は緑と建物の調和が素晴らしい空間です。反して、門前町はその荘厳な雰囲気とは違って伝統的な建物が見られません。一応取材しましたが、
残念ながらDataBaseからは削除です。永平寺そばはおいしかったのに。
永平寺の参道をずっと行くと永平寺口、そして
勝山街道沿いの松岡でやっと期待の町並みと出会えました。福井県ねらではの立派な上り梁の町家や本卯建を上げたものもあった。そして、主屋の裏側では機織の音がしていた。良い町並みです。
 

松岡 勝山街道沿いの古い町並み 
以上、2012年下半期の「東奔西走」を終わります。
そして、いよいよ来週末、「にっぽん集落町並み縦走紀行」の最終章です。
函館からわが国の最北端稚内宗谷岬をめざします。

うーむ、緊張する。寒いんでしょうねぇ