浦賀 造船と黒船来航の港 港を挟んで向かい合った町並み

神奈川県
横須賀市
東浦賀町
西浦賀町





交通

京浜急行浦賀駅下車
徒歩またはバス


県道209号線
浦賀駅前



浦賀ドック


西浦賀


東浦賀
浦賀は東京湾の入り口近く、三浦半島が湾に突き出した位置にある。1720年(享保5年)江戸幕府が奉行所を置き、浦賀水道の出入船を取り締まっていた。1853年(嘉永6)ペリー提督と黒船と呼ばれた軍艦4隻が来航した地として知られている。
浦賀のまちは典型的なV字谷の上に形成されており、浦賀港は幅が細く、港自体がドックのような形をしている。港の最奥は造船所(石川島播磨重工)が占めており、その前に終着駅式の京浜急行浦賀駅がある。造船所には、レンガ造の古いドックも残っている。
旧市街は港の入り口に近いところに東西に分かれて形成されており、それぞれ東浦賀町、西浦賀町という。西浦賀の方が商業的要素が強く大きい。造船の町でなければ間違いなく2つの町をつなぐ橋がかけられていたであろう。町は渡し舟で頻繁に行き来でき、利便性のみならず浦賀の風情を演出する重要な役割も果たしている。橋が無いことが浦賀の景観を守る上でもっとも重要なことであろう。

西浦賀の町並みは海岸通りから一皮入った通りに沿って形成されており、江戸風の出桁造りの町家や看板建築が連続するとまでは行かないが残っている。蔵も結構残っており、石蔵が多い。西叶神社の脇には座敷蔵の民家も残っている。
船着場あたりが町の中心地らしく、比較的大きな町家や看板建築が集まって残っている。
町並みの背後の山には寺があり、町を見下ろしている。西浦賀の東福寺からは、西浦賀と対岸の東浦賀を眺める最高のビューポイントである。
東浦賀町は先端の東叶神社から北へ展開し、中ほどに渡し舟の船着場がある。こちらは住宅地としての性格が強い町並みだが、石蔵をもつ出桁造りの町家が見られた。
自然の地形と産業と町並みが、互いに矛盾することなく調和している、とても心地の良い町並みである。東京近郊の貴重な場所の一つといっていい。
1950年代の浦賀ドック全景(『浦賀・追浜、百年の航跡』より)
港を挟んで右が西浦賀、左が東浦賀の町
浦賀ドック
西浦賀の港に面する町家(旅館?)。山側に旧道が通っており、古い町並みが見られる。
西浦賀の町並み
西浦賀の東福寺より西浦賀と対岸の東浦賀の町並みを見下ろす。奥の海は東京湾の浦賀水道で日本一海上交通量が多い場所。
西浦賀の渡し舟船着場付近。出桁町家が残る。
東浦賀町の町並み。東西ともに出桁民家と石蔵が多い。石壁の表面を伝うように反射する柔らかな光がきれいだった。
参考資料 リンク
横須賀市


参考文献