丸の内・霞ヶ関・千駄木 (2004.09.19)
 

ビジネス街として100年以上の歴史を持つ丸の内。2年前にオープンした丸ビル以来、どんどん街が変化しているが、また丸の内に新しいビルが誕生した。丸の内1丁目1街区(東京駅丸の内北口)開発計画と明治安田生命ビル街区再開発計画である。2つのビルがほぼ同時にオープンしたので早速探索に出かけた。
  
丸の内(東京都千代田区)
 
日本工業倶楽部会館・三菱信託銀行本店ビル

 
丸の内1丁目1街区
(東京駅丸の内北口)開発計画
東京駅北口開発はひとつの街区に6棟がひしめく複合開発。しかし、ビルが無作為に建てられたのではなく、互いの関係を綿密な計算を基にして建てられているため、高密度ながら豊かな空間を創造できていると感じた。垂直に30m立ち上がる空間とエスカレーターはダイナミックながら高所恐怖症の私にはちょいと刺激的である。
建物どうしが連続する町並みとしてみるともう少し統一感というか、全体として訴えかけてくる魅力がほしいところである。
 

明治安田生命ビル街区再開発計画
明治生命館が重要文化財として完全保存されたのは、歴史ある丸の内の町並みにとって大変喜ばしいことである。いろんな時代の建物が存在してこそ街の時間軸を感じることができるからだ。
明治安田生命ビル街区は、重要文化財の残容積を隣のタワーに加えて計画されたためタワーはたいそう壁状になってしまったが、ビルの足元のパブシック空間は大変気持ちの良いものだ。重要文化財の四周の外壁に触れ味わうことができる誰もが入れるダイナミックな空間となっている。歴史の町並みを歩く視点から、丸の内の街づくりが整備されるとさらに楽しいものになるだろう。
霞ヶ関(東京都千代田区)
丸の内明治生命館から皇居に二重橋前を経由して桜田門から再び内堀を渡る。そこは、かつての大名小路跡地を整備した霞ヶ関。明治期に建設された法務省は重要文化財として保存復原されているが、昭和初期の官庁建築はずいぶん建て替えられてしまった。残るは文部科学省と財務省庁舎。文部科学省のほうは部分保存が決定しており工事中。さて財務省はどうなるのでしょうか。
千駄木(東京都文京区)
東京の古い町並みといえば根津が有名。根津は台地と台地の間に挟まれた谷あいで、戦災から免れた街。その谷の両側の台地は、東の谷中と西の千駄木。どちらも根津同様に戦災から免れた地域である。
今日は、最後に千駄木の戦前の住宅地を再訪した。一筋一筋丹念に歩いてみると戦前の住宅が屋敷構えともどもいくつか残っている。宅地化される前は雑木林だったというが、現在でも緑豊かな閑静な住宅地である。