霞ヶ関 大名小路跡に集中計画された中央官衙地区

東京都
千代田区
霞ヶ関1,2,3



交通

地下鉄霞ヶ関駅、半蔵門駅、虎ノ門駅下車






霞ヶ関




2003.09.27
江戸城外堀の内側は大名小路と呼ばれる大名の上屋敷が整然と配置された場所。近代になってしばらく錬兵場として使っていたが、明治20年に霞ヶ関に官庁集中計画が決定した。設計はドイツのお雇い建築家であるエンデとベックマン。第1l期として法務省(明治28年)と司法裁判所の2棟が実現した。しばらくしてから第2期の開発が昭和初期に着手される。旧警視庁(A字型)、旧内務省(B字型)、旧外務省(C字型)、文部省(D字型:現存)、法務省(E字型)というようにそれぞれの平面形状が偶然にもアルファベットでそろったためABCD街と呼ばれた。
建築のすべては大蔵省営繕管財局の設計で、内外装ともに中央官衙建築の基準に従っており、実用主義のデザインである。この考え方は現在の官庁建築の設計でも変わらない。
法務省は保存復原されたものの、昭和初期のものでは文部省の保存が決まり現在工事中。前年ながら昭和10年の会計検査院は最近取り壊された。保存されるか否か注目される残るひとつは旧大蔵省(財務省)である。
桜田門前から国会議事堂を臨む。高台に建っていて高さを誇っていた中央の塔は、背後の超高層ビルに埋もれている。
桜田門前の警視庁。敷地の形状が三角であるため、旧建物の平面形状はA字型と呼ばれていた。

エンデ・ベックマンの設計による法務省。
戦災で屋根と内装が焼け落ちたが、数年前に復原された(重要文化財)。

自治省が建て替わり合同庁舎へ(上)

裁判所合同庁舎(左上)

外務省はリニューアル工事中(左)
内堀通りに面する法曹会館(昭和11年)

財務省(旧大蔵省)(昭和14年)

文部科学省(旧文部省)(昭和8年)
現在通り側を部分保存(D字方の曲線部)し、後ろ側と会計検査院部分に高層の合同庁舎が建設される。
参考資料 リンク
千代田区

参考文献
『総覧 日本の建築3 東京』 日本建築学会編 新建築社