北九州 豊後T (2003.12.30)
 

昨晩遅く、佐賀より大分自動車道で別府湾を望むホテルに入った。むやみな高速道路建設はあまり歓迎しないが、高速道路のおかげでこういうスケジューリングが可能となる。今日明日と別府を拠点に大分県を歩く。

大分自動車道で大分市の郊外まで走り、大野町経由で竹田を目指す。いい集落が無いか期待していたがめぼしいものは無く、国道57号線に出てしまった。竹田は約20数年ぶりに訪れた。当然町並みの記憶には無く、岡城が市街地から離れていたことだけ覚えている。まず、武家屋敷町から歩く。竹田らしい崖地をバックにした武家屋敷町の通り景観は、早朝だったこともあり気持ちが良い。次に竹田の町人町はどうかと歩いてみたら途切れながらであるが残っている場所はあった。

国道57号線を臼杵に向かう。途中、千歳村や犬飼町の農村を廻ったが特筆すべきものではなかった。犬飼町の市街地に入っていくと若干だが古い町家が残っている。宿場町かなにかと思ったが、ここは別府湾から大野川をさかのぼってくる舟運のための河港で栄えた町であった。

犬飼から臼杵へ向かう国道502号線は、日向街道と呼ばれ、途中に石仏群があるなど、なんとなく歴史を感じる道。しかし臼杵に近づくと次第に道が混んでくる。臼杵は城下町で海と山に囲まれた自然の要害の地形。出入口が絞られており道路が渋滞している。臼杵も20数年前に歩いており記憶には坂道の町並みがうっすらと覚えているだけ。しかし、町人町は平らでそんな場所は無い。縦横無尽に町並みが広がっており、場所場所で町の機能が異なり、なかなか見ごたえがある。臼杵に入る際に目をつけておいた平清水地区を歩いて山手の二王座地区へ上る。坂道の町並み。そこがわずかに記憶に残っている場所であった。案の定、臼杵の町を出るときに大渋滞。渋滞を嫌って津久見経由で佐伯に向かう。

佐伯。ここから四国の宇和島へフェリーで渡ったことがあるが、そのときは深夜だったので町は見ていない。町並みがなかなか見つからなかったが、かつて城だった小高い山の麓に武家屋敷町があった。建物としてはあまり見るべきものはないが、石垣と土塀が連なる武家屋敷町を歩いた。臼杵からら気が付いていたが、屋根瓦が飛ばされないように漆喰で固めた家が多い。

佐伯の市街も川と山に囲まれているため大渋滞である。一般に城下町といやつは渋滞して困る。佐伯湾に面するリアス式海岸の小刻みな出っ張り引っ込みをなぞる道路をひたすら走って、半島の先端に近い漁村を目指す。海は夕凪で穏やかだが、有明浦の集落の家々は石垣や開口部の少ない壁でとても閉鎖的である。豊後水道沿岸はこのような閉鎖的な民家が多い。理由は台風常襲地域だからといわれているが、四国の沖ノ島外泊祝島など、閉鎖的な塀や壁と漆喰で固めた瓦。海を取り巻いて共通の形態が見られる。


竹田
犬飼
臼杵
佐伯
有明浦