有明浦 豊後水道に面するリアス式海岸の風に耐える集落

大分県
鶴見町
有明浦
中津浦
帆波




交通

JR日豊本線佐伯より車

国道388号線より町道604号線




有明浦




2003.12.30
豊後水道に面する海岸線は、九州、四国、両方ともリアス式海岸が発達している。大分県鶴見町も豊後水道に突き出したリアス式半島のひとつである。いくつもの小さな入り江に半農半漁の集落が点在する。沿岸では真珠を養殖、背後の山地ではミカンを栽培している。
半島のおよそ中間あたりの有明浦周辺の集落は、海から吹き付ける強風に耐えるため、石垣やコンクリートを立ち上げ、家屋の壁と一体造にしたり、風上側の壁の開口部を極力小さくした閉鎖的な家屋が目立つ。
このような形態は、台風の常襲地帯である環豊後水道共通の形態であり、高知県沖の島広瀬や愛媛県外泊や三崎町、山口県祝島の集落などに同様の特徴が見られる。
中津浦の集落
小さい集落だが海に面する窓は殆ど無い。

帆波の集落
建物の足元に石垣を立ち上げた民家が多い。やはり海側や通り側の開口部は少ない。このような強風地帯の環豊後水道の民家のでも、本来開口部のない壁に気密性の高いアルミサッシュがつけられている例もある。
帆波の集落(左)
海側にコンクリートを立ち上げ建物と一体化させている民家。軒の出も極力小さくしている。


帆波の集落(下)
自然に存在していた大きな岩を利用し高く石垣を積んだ民家。下屋の壁面は石垣と一体化し防風対策を図っている。

参考資料 リンク
鶴見町

参考文献
『日本の集落 第三巻』 高須賀晋・畑亮夫 建築資料研究