峰谷 東京都最奥に存在する第一級の天界の村

東京都
奥多摩町


留浦





交通

















2007.11.10
2012.05.27
西日本の太平洋側に分布する「天界の村」こと山の中腹に立地する山岳集落は、東の端が関東山地である。その集中域が東京都多摩川上流部にあたる奥多摩町と埼玉県荒川上流部にあたる旧大滝村となっている。峰谷川は多摩川の支流で、現在は奥多摩湖にそそぐ川であるが、その流域の集落は都内最奥部の集落ということになる。背後には2000m級の関東山地の山々がそびえ、谷は相当に深く感じる。奥多摩湖に近いエリアでは谷底に見られる集落も、峰谷川をさかのぼっていくと山の天辺に立地が移動していく。そこには峰と奥という2つの集落があり、「東京都内にこんな山岳集落があったのか」と疑いたくなるような、見事な第一級の「天界の村」なのである。
峰集落は奥集落の手前にあり、最下部で標高650m、最上部で標高950m、なんと標高差300mの集落である。私の知る限り日本最大の「天界の村」と思われる徳島県一宇村の大宗赤松集落が標高差390m(標高350m〜740m)でさすがに及ばないものの、有名な東祖谷山村の落合集落が標高差250mだから、こちらは優に超えている。一方、奥集落はまとまりのある天界の村で、四国山地の大宗赤松や落合集落に似た美しい形態をしている。
集落内に建つ民家は、峰集落が山梨県から奥多摩地方に分布するかぶと造りであるのに対して、奥集落が埼玉県群馬県に見られる切妻平入の2階建てであるところが興味深い。いずれも養蚕のために生まれた民家形態であるが、隣接する2つの集落間で民家の発展過程が異なっているようだ。
峰谷越しに南の奥多摩湖方面を眺める
峰は縦に長い高低差のある集落 

峰集落の民家
立派なかぶと造り民家が残っている。(左上、左下)
峰集落から眺めた奥集落。背後には鷹巣山(標高1723m)がそびえる。(上)

奥集落全景。(左)
奥集落の中をヘアピンカーブを描きながら車道が登っていく。山岳集落の典型的な形態。
奥集落から峰集落を眺める。
奥集落の民家にはかぶと造りが見られず、埼玉県や群馬県の切妻平入2階建ての養蚕民家の形態が多かった。
峰集落の下にある留浦(とずら)集落
総二階建ての養蚕農家。
参考資料 リンク
奥多摩町

参考文献