横須賀・小田原(2003.07.20)

三浦半島は東京から1時間でいける場所。ドライブでは何回も行ってるが、こと集落町並みとなると灯台下暗し状態である。半島へは京浜急行電鉄が走っているが、品川〜羽田間以外は乗ったことが無かったので一人小さな旅に出た。今回は横須賀市内のいくつかの町を訪れ、時間があれば(三浦半島とは関係ないが)小田原まで足を伸ばそうというものである。

横須賀は軍港で栄えたまち。現在は米軍と自衛隊の基地があり、中心市街は外人が行きかう。かつての海岸線は細かな入り江を形成していたので、谷に入り込んだ商業地の背後の絶壁上を見上げると住宅が張り出さんばかりに建っているという立体都市である。軍港前の繁華街にはヨコスカファッションの発祥地「ドブ板通り」がある。栄えた場所には必ず花街がある。横須賀の南に新開地として整備された安浦と北の田浦にある皆ヶ作がそうだ。皆ヶ作を訪れた後、安浦からドブ板通りを経てJR横須賀駅まで歩いた。
また、軍港の造船所として栄え、黒船来航の地としても有名な浦賀も訪れた。湾そのものが造船のドックのような形をしている細いV字の湾の両側東西に旧市街が形成されており、間を渡し舟が行きかうという風情のある場所だった。そのような地形と町の関係が面白く、古い町家や石蔵などが見られた。
小田原へはJR横須賀線にで大船へ出て、東海道線に乗り換えて1時間。平地にダーッと続く印象の市街地はメリハリが無いが、ところどころに古い出桁造りの町家が残っていた。また海岸近くの旧東海道沿いも歯抜けではあるが見られた。小田原に訪れた目的は旧花街であった抹香町だ。抹香町の石碑がある辺りを縦横無尽に歩くがいっこうに見つからない。あきらめかけたころ通りと反対側の住宅街の路地に「小料理」の小さな看板が見える。住宅地に小料理屋とは、「まさか」と思い行ってみた。周りと区画の異なる街区、今や単なる住宅街だが家々のデザインはどこと無く変わっている。そこが抹香町の旧カフェー街であった。
 
花街
長浦港に面した
旧カフェー街

皆ヶ作
造船と黒船来航の港
港を挟んで向い合った
町並み

浦賀
花街
軍港横須賀の
旧カフェー街

安浦
入り組んだ丘と谷に
展開する軍港都市

横須賀
花街
川崎長太郎小説に
登場する
小田原の新開地

抹香町
2層の
出桁造り町家
が見られる
旧城下町

小田原