笠間から1駅西へ行くと稲田である。進行方向右手に山肌が崩された低い山脈が連なる。
駅は昔ながらの古い駅舎。駅前には建材として稲田石を見出した鍋島彦七郎の像がある。其の横に石造の建物が建っており、さすが石の町だという印象だ。電車を降りた子供づれの人について歩いていくと旅館らしき建物を見つけた。最盛期はさぞ賑わったのであろう。
稲田の町には石の建物はなかったが塀や門柱に稲田石を使った家が多く見られた。グルッと廻ってきて駅に戻ってくると駅前通に一際大きな敷地の洋館が建っている。石材業で財をなした中野組の事務所だ。
そこから初代鍋島商店の後を継いだ(株)タカタの丁場を見せてもらった。昔、仮面ライダーを見たことがあるか?。最後にライダーが戦うシーンで必ず悪者がやられて爆発したことを覚えているだろうか。あのシーンは稲田石の丁場で撮影されたものが多いという。今のようなCGによる合成が出来ない時代である。しょっちゅう発破で石を切り出していた丁場なら悪役が爆発しても環境に問題はない。 |