八島 ハワイでの出稼ぎで財を成した豊かな島里

山口県
上関町
八島





交通
上関港より高速艇




八島





2018.10.07

      
上関港の南約12kmの山口県最南端に位置する。南北に細長く、中部は平地になっているため1島であるが2島の観がある。古くは屋嶋・矢嶋とも記されていた。島内からは弥生式土器・土師器は出土している。かつては北部の古浦に集落があったが、現在は八島港の周辺に集中している。明治以降、ハワイへの移住者を多く出した島としても知られている。最近まで牛の放牧が営まれていた。観光事業としてキャンプ場を設置して島の振興を図っている。(「シマダス」参照)
島へは室津半島先端の上関港から高速艇で約50分。島の中間あたりの北斜面から平地にかけて集落が形成されている。港から緩やかに上るメインストリートに、島とは思えない立派な家が並ぶ。隣の祝島は、練塀の特徴的な集落であるが、八島は異なるスタイルである。町並み度的には、どちらも負けず劣らずの一級品の島里である。
八島の町並み
八島の町並み
メインストリートを入る。かつてお店だったような建物が何軒か見られる。
八島の町並み
緩やかに上がりながら曲がる道。その道に沿った川と石垣。向かい合う煉瓦塀と黒板壁。見事な構図である。
八島の町並み
煉瓦塀の家。しっかりした洋風の門を構えていて、病院だったのかな?というようなたたずまい。
八島の町並み
八島の町並み
無住となっている模様。
八島の町並み
さらに上っていくと斜度がきつくなり、視界を占める石垣の割合が増える。
八島の町並み
ほとんど廃墟だけれど大きく崩れているわけではない。家の造りがいいからだと思う。
八島の町並み
集落上にガードレールが見えたので、見晴らしが効くであろうと判断し上った。
八島の町並み
密集度は低くゆったりとした家々の配置。どちらかというと、祝島より平郡島に近いか。
八島の町並み
季節によって強い風が吹き下ろしたり吹き上げたりするため、屋敷構は仲庭型である。
八島の町並み
囲むというよりは挟む程度。海側と山側に建物を配置するイメージ。
八島の町並み
八島の町並み
八島の町並み
黒板壁と銀の瓦屋根、緑の調和が美しい。
八島の町並み
集落の西方、斜面の高いところにある浄慶寺。天井に描かれた紋は、火事によって再建されたときに寄進した家を表す。
八島の町並み
祝島と同じ練塀が少ないがみられる。
八島の町並み
なぜこんなにも立派な家が多いのか。答えはハワイへの出稼ぎ者を多く出した島だったということだそうだ。
八島の町並み
練塀の路地
八島の町並み
屋敷地を囲む付属屋の入口から中庭を見る。
参考資料 リンク
上関町

参考文献