祝島 周防灘を望む小島 独特な石積練塀の集落

山口県
上関町
祝島





交通
柳井港、室津港より定期船






祝島




2003.05.24
2016.07.17
上関港から南西16kmの波高い周防灘の東端にポッカリと浮かんでいる周囲12kmの島。祭祀が行われていたらしい巨石群もあり、古来行き交う航行安全を守る神霊の鎮まり給う島として崇められてきた。このことは都にも広くしられていて、「万葉集」にも登場する。今から、1000年以上前から伝承されている無形文化財「神舞神事」も四年に一回行われている。江戸時代には岩見島と呼ばれていた。かつては冬期に酒造杜氏として各地で出稼ぎをすることで知られていた。主産業は農漁業。ビワ、ミカン、サヨリ、タイなど特産品も豊富で、現在ブランド化を進めている。独特な石垣をめぐらせた町並みが美しい島である。(「シマダス」参考)
祝島の集落は一カ所。このような小さな島にしては、比較的大きい。しかも、密集している一軒一軒の屋敷が大きく、一定の繁栄を経験した姿であろう。石積みを土で塗り固めた練塀は、各地で見られないことはないが、丸石を積んだものは珍しい。白地(茶色地)に石がポツポツと図を作り、大変美しいものである。この辺りは台風の通り道になることが多く、季節風も強いようで、防風と密集地であるがゆえの延焼防止を目的に築かれたものであろう。島里の景観としては、全国でも一二を競うものである。
港近くの町並み
この路地を入っていくと集落のメインストリート=横道にでる。
メインストリート=横道の町並み
独特な石積みの練塀がつづく

狭いながら庭をもつ家が多い(左上)

メインの横道から分岐する縦道。家の下をくぐって抜けている。(上)

島の商店(左下)
祝島の町並み
祝島の町並み
祝島の町並み
祝島の町並み
井戸が随所に見られる。井戸も石で築かれている。

小中学校下から集落を俯瞰する。遠くに見えるは上関町長島(下)
祝島の町並み
この辺りが町並み的には最高のスポット(上)
中庭形式の住宅(左)

祝島の町並み
港近くの地区(上、左上、左下)
祝島の町並み
港近くの地区は急傾斜地に形成されている。
参考資料 リンク
上関市

参考文献
『日本の集落 第3巻』 高須賀晋・畑亮夫 建築資料研究社
『歴史遺産 日本の町並み108選を歩く』 吉田桂二 講談社