木曽福島 木曽谷の中心地 谷底に密集した陣屋町

長野県
木曽福島町
上町
本町
八沢




交通

JR中央線
木曽福島駅下車



国道19号線




本町
上町
八沢




2004.05.01
木曽福島は木曽谷の中心地。江戸時代は木曾代官山村氏の陣屋町として、中山道の37番目の宿場町として栄えた。町は木曾川の東岸に形成され、陣屋と武家屋敷は西岸に配置され、両者は区画されていた。中心市街である上町、下町は昭和2年に大火に遭っているためそれ以前の古い町家は見られず、台地上の上ノ段地区にわずかに残っている。
旧中山道は本陣跡である木曽福島町役場や近代的な旅館もある上町を過ぎると、細い路地に入り急な上ノ段坂を上る。上りきると上ノ段地区の町並みが続き、用水の水場が設けられている。なまこ壁の土蔵や格子の町家が旧宿場の雰囲気を色濃く感じさせてくれる。再び坂を下ると中八沢橋で、そこで宿場町は終わり。ここからは八沢町となるが、かつては木工や漆の職人町であった。
上ノ段と木曾川との間に、上町と八沢町とを結ぶ本町がある。旧中山道が台地上を迂回しただけあって、木曽川縁は崖状になっている。そこに何とか平らな土地を生み出したのが本町である。したがって、木曾川ぎりぎり、というより川にはみ出して家が建てられている。この家並みは「崖家づくり」と呼ばれており、谷底の町らしい町並み景観を見せている。

 
上ノ段の町並み
旧中山道の宿場町は、途中から木曾川縁の崖を嫌って台地上を迂回した。そのことによって台地上の町並みは大火から免れ、歴史的な景観を残している。
上町の町並み
昭和2年の大火と長い間国道であったため大正以前の古い建物は残っていないが、一方で「昭和の町」としての歴史を感じることができる。
上町の町並み
昭和期の建築が見られる。
本町の町並み
木曾川に張り出した「崖家づくり」。通り側は2階建て、川から見ると3階建て。土地の少ない谷底の町には、全国的にこの形態が見られる。
(たとえば、三留野足助本宿
参考資料 リンク
木曽福島町

参考文献
『図説 日本の町並み5 中部編』 太田博太郎他 第一法規
『民家巡礼 西日本編』 溝口歌子・小林昌人 相模書房