三留野 木曽川河岸の崖上に形成された新旧の町

長野県
南木曽町
三留野




交通

JR中央線
南木曽駅下車



国道19号線




三留野




2004.05.29

新市街の町並みを木曾川から見る
 
中山道41番目の宿場である三留野は南木曽町の中心である。木曽川の河岸段丘上の狭い平坦地を旧中山道が走っており、市街地はその狭い土地に所狭しと形成されている。地形の関係で南木曽の町は南北に細長くなってしまい、しかも真ん中を中央線が分断している。市街地の北半分は旧宿場町で駅から遠ざかっている。南半分は南木曽駅前を中心とした新市街という構成である。
旧宿場町は、南木曽駅周辺とは対照的に静かな佇まいを見せている。宿場の南は度重なる火災に遭っているが、北の新町や仲町に連続する町並みが見られる。仲町あたりが微高地となっており、高低のある家並みが特徴である。
新市街は本来あまり平坦な部分が無かった場所に鉄道を通し駅を作って町が形成されたため、土地が足らず町並みが川側にはみ出している。つまり、木曽福島の木曽川縁に習って「崖家づくり」が展開されている。街道側は2階建てだが、川から見ると高い土台の上の3階建てなのである。中にはより面積を確保するため、京都清水寺の舞台のように鉄骨を組んで敷地を持ち上げ、その上に作られたスーパーマーケットも見られる。
旧宿場町は駅から大きく北に外れている。平らな土地が少ないため、駅が旧市街から大きく外れたのであろう。

仲町の町並み(上)
旧宿場町南にある柏屋。細やかな格子戸が美しい。(左)
宿場町は仲町あたりが一番高くなっていて南北から上っている。
左の写真は新町から仲町方向を見たところ。木曽路の特徴である出桁造りの2階バルコニーが階段状に連続する。
駅前の狭い土地に形成された新市街。
少しでも敷地を稼ぐため、木曽福島でも見られた「崖家づくり」になっている。
川側から見ると土台を持ち上げた3階建てに見える。表通り(中山道)の高さは2階部分。

ついに清水寺の舞台のような構造を採用したスーパーマーケットが登場。舞台の下は倉庫や機械室となっている。下から表通りに抜ける階段が舞台下を貫く。

近代化遺産 桃介橋
大同発電所(株)により、大正10〜11年にかけて下流の読書発電所の建設資材運搬路として建設された橋梁。
参考資料 リンク
南木曽町

参考文献
『図説 日本の町並み5 中部編』 太田博太郎他 第一法規
『民家巡礼 西日本編』 溝口歌子・小林昌人 相模書房