福浦 画家中川一政がこよなく愛した石垣の漁村集落

神奈川県
湯河原町
福浦





交通
JR東海道本線真鶴駅下車徒歩



福浦





2015.01.12



真鶴半島の西側の付け根に湯河原町福浦はある。真鶴半島はの先端に中川一政美術館があるが、画家中川一政は日本西洋画の巨匠で97何年の人生の後半生40年を真鶴で暮らし、創作活動に励んだ。彼は、真鶴を素材に様々な絵を描いたが、福浦という小さな漁港を傷害のモチーフとして描き続けた。
東海岸の真鶴ほど大きな町でなく、船溜まりは10隻程度の小さな漁港である。だが、小さな谷間にコンパクトに凝縮された集落空間が形成されている。その集落景観を特徴づけしているのが、石垣や石段に使われている茶色い石=小松石である。小松石は、真鶴半島で産出される石で、真鶴港から船で運ばれて江戸や東京でも多く使用された石。江戸城の石垣や近代のビル、住宅地造成のための石垣などに見られる。その石垣によって急斜面が宅地化され、密集した歩いて楽しい集落となっている。
家々の庭にはミカンが生り、相模湾には大島から利島、新島までも見渡せる。何度も訪れたくなる心地よい集落である。
福浦漁港から相模湾を臨む
手前に初島、その向こうに大島、遠くに利島、新島が見える(左)

集落の真ん中を流れる小さな川に面する町並み(下)
 

小松石の石垣や石段
谷間の両側の斜面に家々が密集する
港へ通じる通りの町並み
小松石の石垣
集落内の景観 
参考資料 リンク
湯河原町

参考文献