天界の村を歩く 特別編
当サイトのオリジナルコンテンツのひとつ、「天界の村を歩く」シリーズは、2007年関東山地にて完結している。でも、これはまとまったエリアを取り上げてのことで、局所的にはまだまだ「天界の村」は埋蔵されているのだ。
わが地元の東京都にも天界の村が存在していたことは最終話で紹介したところであるが、檜原村はそういう目では十分に取材をしていない。今回は、檜原村のすべての山岳集落を総ざらいしてスッキリさせるつもりである。
わが車チューンド・エルグランド350SC(3500ccスーパーチャージャー)に火を入れる。港区港南を6:00に出発。先を急いで首都高に乗り、4号線→中央道と進むが、なんと調布IC手前からガッツリ渋滞!うーむ、梅雨明けの三連休はただ者ではなかった。仕方ないので、ICで降りて地道をえっちらおっちら、玄関口の五日市を目指す。
日野橋袂からの奥多摩街道は順調。拝島のマクドナルドでモーニングといこう。この辺りは学生時代によく来たものだ。友達と野郎二人で決まって夜走りに行っていたわけだが、その一つのコースの終着点がこの辺りに昔あったデニーズだった。懐かしい!
8:30amあきる野市五日市に到着。この町は檜原村を流れる秋川溪谷が開ける場所に形成された谷口集落。古くから檜原村の材木や炭は、この町を通じて江戸東京に供給されていた。その重要な流通経路の首っ根っこを押さえて発展した町並みが五日市。その栄光なる過去の証が町のあちこちに残る蔵・蔵・蔵である
五日市の中心市街から離れたところにある戸倉地区には、造り酒屋や大屋敷があったりして、五日市の町並みを紹介する上ではこちらを加える必要がある。
檜原街道をいよいよ山間に入っていく。秋川は支流を分けるたびに集落を形成しながら、ついには北秋川と南秋川に引き裂かれてしまう。その分岐点にあたるのが本宿・元郷。山村檜原の中心集落である。
しかし、こんな山の中だというのに立派な屋敷がやたら目につく。甲州裏街道の宿場だったからか、林業で潤ったからか、いずれにしても凄い。
さて、いよいよ今回の目的である「天界の村」エリアに足を踏み入れることにしよう。まずは北秋川の上流域からだ。最奥まで行ってから戻る。午前10時の山中ではあるが、猛暑のためすでにかなり暑い。
アップダウンを繰り返していた川沿いの道路も、次第に道幅を狭め上り一辺倒になる。そうすると、なんとエルグランド350SCのエンジンの湯温はどんどん上昇し、ついに100度を超えてしまった!100度とは水の沸点、続ければいわゆるオーバーヒートになってエンジンが壊れてしまう!
日陰で10分間エンジンを冷やし、80度代になったところで再び走り出すが、2,3分ですぐ100度になっちゃう、、、ヤバイ。
これから本格的に倉掛集落への登坂が始まるという場所までなんとかたどり着いた。が、ここから先は下りはなく、このクルマには危険である。どうしよう。せっかくここまで来て引き返すわけにはいかない。私は、谷底にクルマを置いて、歩いて登ることにした。炎天下の中。
先に集落など見えない山道をひたすら上る。やがて左の斜面の上に石垣が見えてきた。集落だ!でも小さいぞ。ん?向こうの山の上に続く道、その先に赤い屋根が、、、あそこまで登るのか。
このまま続くと自分がオーバーヒート(熱中症)してしまうぞ。あのカーブを登りきれば、、、着いたぁ!
倉掛集落。そこはまぎれもなく「天界の村」であった。まぁ、クルマで登ったんならこんなもんかというくらい小さかったけど、30分かけて歩いて登ったんだ、感動はひとしお。
下りは楽である。しかし、膝が笑う。
気温はさらに上昇。もうこのクルマで登坂の連続はもう無理だ。残りの山岳集落探訪はまたの機会にするしかない。勇気ある撤退である。どうも最近の旅、この勇気ある撤退が多いなぁ。
本宿まで下って、今度は南秋川の上流域へ。スピードメーターより水温メーターを見ながら、だましだまし回転を上げないように、下りはニュートラルで。
数馬は南秋川最奥の集落。当然ここは歩いたことはあるが、1992年以来なので、見る目も違う。やや観光色が強いものの、かぶと造り民家が見事だ。
五日市へ帰る途中、山梨県からの街道を合流する上川乗というところで養蚕農家群の集落を発見。いままで何度も通り過ぎていたのに気づいていなかった。改めて見るとすごい。何棟も集まっている。うれしい誤算、急きょ取材だ!
五日市まで戻って今度は多摩川沿いを行く。しかし、オーバーヒートを気にしてのドライブは気がかりが多い。
奥多摩駅の2階で蕎麦を食し、鉱山門前町である氷川の町並みを再訪取材したところでやる気が無くなった。暑いしね。季節のよい時期にまた続きをやりましょ。
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旅に出るとなぜかマックでモーニングしたくなる |
五日市の塗籠造りの商家
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五日市戸倉地区の大屋敷脇の道
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何で財を成したのか 大屋敷が多い本宿・元郷地区 |
エル350SCがオーバーヒート寸前!ヤバイ |
クルマを谷底において歩いて登る
天界の村探訪では初の徒歩によるアプローチとなる |
おお!人家だと思ったら、、、まだ途中の集落だった
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このカーブを登りきれば倉掛集落に違いない!
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歩いて登った「天界の村」の感動はひとしお!
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数馬のかぶと造り民家 |
興奮の発見だった上川乗集落 |
鉱山の門前で栄えた氷川の町並み
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