大森・羽田(2003.12.06)

羽田といば「東京国際空港がある埋立地」という印象が強いが、もともとは六郷川(多摩川の下流をこう呼ぶ)の三角州に形成された漁村集落である。初めて羽田の集落を訪れたのは5年前。3歳の娘とはじめて2人で出かけた小さな旅だった。しかし、娘が気になってオチオチ町を歩いていられなかったため写真が残っていない。そんなわけで再訪することになった。今度も娘を誘ったが、「集落はつまんない!」ときっぱり断られてしまった。素直な頃が懐かしい。今日の目的地は、羽田、大森、川崎大師、時間があれば品川東口のグランドコモンズ(新都市)に寄りたいところだ。

家の近くのバス停から家族3人でバスに乗り、私一人京浜急行線の新馬場駅前で降りる。女房と娘は終点の大井町のイトーヨーカドーで買い物だ。新馬場から3駅、平和島駅で下車し、騒々しい第一京浜を渡って旧東海道沿いの大森本町の商店街へ向かった。ここらはかつて海岸線である。「続・赤線跡を歩く」で「大森新地」の遊郭跡が残っていると知ったため訪れた。商店街には旧街道の風情のかけらもなかったが、その東側の一角に料亭建築が何軒か見られた。
旧東海道を下っていくと内川橋の袂で「羽田道」を分岐していた。であれば「羽田まで歩いてみよう」ということで歩き出してしまったのがいけなかった。実はこのあたりは土地勘の乏しいところで、前に車で迷ったことがある。頭の中の地図が間違ってインプットされており、何度訪れても修正されないエリアである。今日も、「羽田道」をたどれば羽田にいけるだろうと簡単に思ったのが失敗で、距離も結構あり羽田道はぜんぜんたどれない。迷いに迷って、大森と糀谷を歩き回ってしまい羽田に辿りつけず、結局、京浜急行の大鳥居駅に出て電車で羽田へ向かった。
しかし、おかげさまで、住宅と町工場と商店街が混在する独特な町を味わえた。失敗したときはこうやって納得するしかないのである。
結局、羽田を歩いて日が暮れたため、川向こうの川崎大師は次回にお預けとあいなった。
 

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