湯之奥 中世武田時代に金山で栄えた山村集落

山梨県
西八代郡
下部町
湯之奥





交通

JR身延線下部温泉下車タクシー





湯之奥



2004.11.03
 湯之奥はその名のごとく、信玄の隠し湯で知られる下部温泉のさらに奥にある。深く刻まれた谷の緩傾斜地の小さな集落である。集落の入り口に車を停めて入っていくと古そうな石畳が一直線に上っていて段々に石垣が積まれた敷地に家々が建てられている。その佇まいからこの集落が単なる山村ではなかったであろう雰囲気が伝わってくる。湯之奥は中世、武田時代に金山で栄えた集落であった。石畳を上っていくと立派な入母屋造りの茅葺民家が見えてくる。江戸中期に建てられた門西家住宅(国重要文化財)で室町時代からこの地に住み幕末まで湯之奥代官、関守をを務めた家である。軸組構造が整然としていて木割が太く、この家が由緒ある建物であることを示している。さらに石畳の坂道を上っていくと山神社に至る。境内にはウラジロガシが群生をなしている。小さいながら歴史の重みを感じる山村集落である。
石垣と石畳が印象的な集落のメインストリート。(石畳は近年整備されたものかもしれない)
石畳の脇には沢の水から引き込んだ水が常に流れている。
江戸時代中期に建てられた門西家住宅。湯之奥の代官、関守を勤めた由緒ある家。
この地域は富士山麓を中心に分布するカブト造り系。
山神社前から湯之奥集落を望む。(左上)

湯之奥集落全景。(左)

境内にウラジロガシが群生する山神社。(上)
参考資料 リンク
身延町

参考文献
『日本の町並みV 関東・甲信越・東北・北海道』 西村幸夫監修 平凡社