下関新地 関門海峡の港湾都市 面影を残す港の遊郭跡

山口県
下関市
新地西町





交通

JR山陽本線下関駅下車徒歩





新地西町





2005.06.26
下関は関門海峡を挟んで門司と向かい合う交通要衝の地。旧称では赤間の関と呼ばれていたが、周防灘に東の門戸である上関、中間の中関に対して下関と呼ばれるようになった。
下関の地形は特徴的で、本州の端部が関門海峡を狭めるように突き出し岬状になっていてその先端に下関駅がある。そして、その岬状を取り巻くU字型の低地に商業業務地が形成されている。商業業務地には下関駅を挟んで東に豊前田町遊郭、西に新地遊郭があった。豊前田町は現在の下関一の盛り場となっていてかつての面影はうすらいでいるが、新地は現在住宅街となっていて遊郭時代の建物がそのままに残っている。
駅前からの大通りを行くと通りの西側に入母屋屋根の旅館が建ち並んでいる町並みがあり、そこが旧新地遊郭の入口であることが分かる。町に入っていくと伝統的様式やモルタル吹き付け系の戦前の建物が壁や軒を連ねていた。そして、家々を見ていくと窓や手摺、玄関の装飾意匠から多くが遊郭時代からのものであることが分かる。通りは直線的に計画されてはいるが、迫る山や横切る川跡によって変化が見られるところが面白い。

駅前からの大通りに面する旅館街。この裏が新地遊郭である。(左上)

新地遊郭の奥へ至る通りと横切る川(跡)の交差部分。(左)

玄関周りがカフェー調の建物。(上)

町を横切る川には蓋がされて路地に鳴っていた。(左上)

奥へと続く通りの町並み。(上、左)

変則的な交差点の角地に残る遊郭建築の玄関の痕跡。(左上)
山裾の町並み。(左)
背後の山に登る階段。地形の険しい下関の町の表情である。(上)
この路地、いいでしょう。アイストップに理髪店、左の家の壁は、木建具あり、木扉あり、下見板貼りあり、タイル貼りあり、煉瓦積みあり。こういう路地空間に出会えると疲れが吹っ飛びます。(上)
通りの線形が変形しているため面白い形の街区になる。旨く作るものです。(左)

大通りから一本西よりの通りの町並み。(左上、左)

そこから入っていった路地。右手奥は木造3階建て。(上)
参考資料 リンク
下関市

参考文献
『赤線跡を歩く2』 木村聡 自由国民社