黄波戸 捕鯨で栄えた質の高い密集系漁村集落

山口県
長門市
日置
上黄波戸





交通
JR山陰本線黄波戸駅下車徒歩




黄波戸




2012.03.20
黄波戸は、山口県旧日置村(現長門市日置)東部に位置する深川湾西岸に臨む漁港。20世紀初頭まで長州捕鯨の基地だったが、現在は地元の小型漁船が利用している。
古い町並みは漁港に近い上黄波戸地区にみられる。通常の漁村集落と同様、後年埋め立てられた海岸線には広い道路が通っているが、それとは対照的に一本入ると海岸線に平行な細い道が通っている。これが古くからの村の主軸で、集落奥部エリアはさらに細くクルマは侵入できない。中ほどには醤油を醸造していた家があり、続く家並みも石垣を築き漆喰の蔵を備えた屋敷が続き、また斜め向かい側には漆喰になまこ壁をあしらった平入りの商家がある。一方、さらに家と家の間の路地を分け入ると、石段があり集落は斜面を登っていく。高いところに上って集落を俯瞰すると、橙と黒の混ざった瓦屋根が折り重なる中に、醸造家の煉瓦煙突がニュキッと出ていてアクセントになっていた。思わぬ場所に思わぬ質の高い町並みが存在するものだと感心させられた。

集落奥部は、主軸の通りながらクルマの入れない細さである(上)

集落中ほどの町並み。2階を漆喰塗籠でなまこ壁をあしらった商家があった。ここから南一帯に大きな家が多い。(左上)

家と家の間の路地の中でもやや太いものを登って行ったら寺につながっていた(左下)
高所から集落を見る。橙と黒の瓦が折り重なる。その中に醤油醸造家の煉瓦煙突がアクセントとなっていた。
背後の斜面に駆け上がる集落。
丁度しゅうらくの中央近くにある醤油の醸造家。この家の周辺に大きな屋敷や民家が集まっていた。

醤油醸造家に続く家並み(左上、左下)

背後の斜面の集落の路地空間(上)
 
上黄波戸集落の南部エリアの町並み(上、左)
参考資料 リンク
長門市

参考文献