白髭東
アパート
都市防火壁として計画された隅田川岸の連結団地

東京都
墨田区
堤通2




交通

東武伊勢崎線東向島駅、鐘ヶ淵駅下車徒歩





白鬚東アパート





2008.09.27
墨田川の東岸、白髭橋を渡ったところに板状で長さ1km以上に及ぶ長い団地がある。1975年から1979年にかけて建設された都営白髭東アパートで、12棟が延々と連結されている。そしてその連結団地と隅田川の間は緑地公園となっている。なぜ、このような板状連結団地が計画されたのか。隅田川の東側は戦災を免れた地域も多く、木造家屋が密集している。つまり、火災が発生した場合隅田川東岸の緑地に避難し、火災から守るためこの連結団地が防火帯になるのだという。震災復興計画で不燃建築の小学校と公園を併設して計画されたが、それらは戦災の時にしっかり防火帯の役割を果たしている。その教訓が生かされたというのか。発想はわかるが、1km以上の壁はいかにも圧迫感が強い。
広島の基町アパートのように連結されている住棟を続けて歩いてみようと、端っこの住棟から隣へ渡ろうとしたができなかった。住棟間は避難時のみかけられる扉で区画されていて横断できない。住棟は片側廊下の単純なもので、広島基町アパートのような工夫も何もない。せっかくならもっと面白く計画できたと思うのだが、スケールだけが際立っているだけの連結団地であった。
圧迫感を軽減させようとしているのか、住棟は雁行させて配置している。
廊下から隅田川を望む。環境は最高。
各戸の前がアルコーブ状になっていて、自転車、物置、エアコンの室外機置き場になっていた。植木でも並べれば下町の路地のようにいい空間の演出ができるのだが。

連結部分は構造を切ったエキスパンションジョイントになっている。(上、左)

近くの別のマンションに上って全貌を撮影しようとしが、あまりにも長いので入りきれない。(左)
参考資料 リンク
墨田区

参考文献