旧芝浦
花街
大きな見番が残る明治のウォーターフロントの花街

東京都
港区
芝1
浜松町2
芝浦1




交通
JR山手線田町駅浜松町駅下車徒歩





芝浦花街


芝・浜松町




2002.06.10
 東海道線の東側は明治時代以降に順次埋め立てられたウォーターフロント。運河が縦横に通じ、倉庫や工場が立地している。芝浦は、古くは漁村で、江戸時代に魚市場が設けられて、東京湾の雑魚を扱っていたという。
 芝浦には明治時代からの古い花街があった。芝浦一丁目がそうで、JRや東京モノレールから「牡丹」という料亭のサインが見える界隈である。今では当時の建物が3棟しか残っていないが、そのうちの1棟が「協働会館」という建物で、花柳界での検番所だった。この建物は、当時の三業組合長だった細川力蔵氏が昭和11年に建てたもの。戦中に花柳界が疎開したのちは、港湾労働者の宿泊所として使われており、東京都が所有している。東京の花柳界の中で、これほど立派な検番所が残っているところは他にはない。
 なお、芝浦地区は1980年代のバブル経済の時代に運河沿いの倉庫が商業施設に改修されたりして注目を浴びた。中でもバブル崩壊後に一世を風靡した大型ディスコ「ジュリアナ東京」は旧芝浦花柳界に接した場所である。
JR浜松町駅前の渡邉ビル(1931年築)
古川の河口は東京湾屋形船や釣り船の船溜まりになっている。(左)

古川河口に面する釣舟の店(上)
浜松町駅西口の一部は戦災から免れている。(浜松町2丁目)

海岸通に面する芝浦1丁目の町並み。この奥が芝浦花柳界。(左上、左)

東京モノレールが町の上を走る(上)
芝浦花柳界の検番所だった建物で、戦後、港湾労働者の宿舎になっていた労働会館。
かつてはこの駐車場にも妓楼が建ち並んでいた。労働会館は東京都の所有で、現在保存運動があってそのまま使われずにいる。
妓楼か料亭か、花街時代の建物。


JRから見える料亭「牡丹」
参考資料 リンク
港区

参考文献
『赤線跡を歩く2』 木村聡 自由国民社