中野 震災後人口増加で発展した戦前がみられる商店街

東京都
中野区
中野2,5
中央4,5



交通
JR京浜東北線大森駅下車徒歩




中野5


中央4,5




2009.07.25
中野は東京23区の西部にある区で、平坦な武蔵野台地の上にある。善福寺川など何本もの川が台地を刻み、曲がりくねった谷を形成している。かつて広い台地をみて上野、中野、下野と分けたが、中野のみが地名となって残ったといわれる。江戸時代は幕府、旗本、寺社各領が混在していた。石灰運搬のため青梅街道筋の中野は宿場町として発展、街道筋の鍋屋横丁(丸ノ内線新中野駅)は堀ノ内妙正寺の分岐点で茶屋町としてにぎわった。また、中野駅北部にある新井薬師は江戸時代子育て薬師として大変にぎわった。
関東大震災後の住宅需要から中野区への人口流入が増加し、生活需要に対応するため中野駅北口に「中野北口美観商店街」ができた。戦後復興、大規模百貨店との攻防もあって、同商店街は1958年(昭和33年)にショッピングアーケード化された。現在はサンモールと呼ばれ連日大変にぎわっている。そしてその周りは一大飲食店街となっている。一方、中野駅から青梅街道の鍋屋横丁に至る中野通りならびに分岐する通りも商店街である。これらのエリアは、戦災を免れており、随所に戦前の建物を見ることができる。

震災後に誕生した商店街を戦後整備したショッピングアーケード「中野サンモール」は連日大変賑わっている。(左)
サンモールの周りは一大飲食店街。中にはスナック街もある。(上)
この商業地は北へ進むと新井薬師の参道の商店街へとつながる。
サンモールの周りは戦災から免れたエリアでもある。数は少ないが、大正末期から昭和初期に建てられた町家(銅板建築)も見られる。
中野5丁目55にあることから「5の55番街」と呼ばれるワールド会館。スナック、レンタルビデオ、マッサージ、ホテルの入った複合商業ビル。階段が前面にあって、そこを上がっていくと路地空間のように店が張り付いている。非常に面白い建築である。(左、左下、下)

ワールド会館の前は路地がサークル状になっていて妙な界隈性がある。戸建のレコード屋さんもあった。
ワールド会館の前の路地空間

中野サンモールの北東部にあるスナック街。ワールド会館ものこの延長で立体化したのであろう。(下)
中野通り中野五差路近くの商店街
(中央4)
中野通りの商店街 (中央5)
中野通り近くで見かけた戦前の住宅
(中央5)
中野通りから分岐して青梅街道に沿う鍋屋横丁に至る商店街(中央4)
参考資料 リンク
中野区

参考文献