新橋烏森 花街だった烏森神社の周りに密集する飲食店街

東京都
港区
新橋1,2,3





交通
JR山手線新橋駅下車徒歩





新橋烏森




2008.02.16
 新橋駅西口にはSLが展示された広場がある。ここはニュースで、オジサンたちにインタビューする時には必ず登場する場所である。つまり、東京のオフィス街で働くビジネスマン達が飲み歩く街である。夜の飲食店街になる素養は、「新橋南地」と呼ばれる烏森神社の周辺に形成された花街による。
 「平安時代の天慶三年(940年)に、東国で平将門が乱を起こした時、むかで退治の説話で有名な鎮守将軍藤原秀郷(俵藤太)が、武州のある稲荷に戦勝を祈願したところ、白狐がやってきて白矢の矢を与えた。その矢をもって、すみやかに東夷を鎮めることができたので、秀郷はお礼に一社を勧請しようとしたところ、夢に白狐が現われて、神烏の群がる所が霊地だと告げた。そこで桜田村の森まできたところ、夢想の如く烏が森に群がっていたので、そこに社頭を造営した。それが烏森稲荷の起こりである。」(烏森神社HPより)
 烏森神社は鉄筋コンクリート造のモダンな建物であるが、その参道には小さな小料理屋が建ち並んでいる。神社に向かって左側は空き地や建て替わっているものの、右側には残っている。また、神社の西側、北側の路地にも飲食店が密集している。それらの意匠に和が感じられるものがあり、花街だったことを伝えている。新橋には、駅の東側に名門の花街があるが、新橋南地とは格が違う。
新橋駅西口の駅前広場。SLの前はニュースでビジネスマンのおじさんにインタビューする常連スポット
ニュー新橋ビル。戦後の闇市を再開発した古い建物。この中もまた集落である。
烏森神社参道。境内の中と思われるが、参道に面して小料理屋が並ぶ。しかし左側はなくなりつつある。
(左、左下)

烏森神社(左)

烏森神社参道の町並み(上)

烏森神社の西側の町並み。路地に小料理屋やクラブが密集するが、和を感じる意匠にかつての花街の記憶が残っている。(下)

新橋南地と呼ばれた花街の記憶が残る町並み。
堀商店(登録有形文化財)
錠前の老舗。
レトロなオフィスビル。網がかかっていて今にも壊されそうだ。
参考資料 リンク
港区

参考文献
『赤線跡を歩く2』 木村聡 自由国民社