チッタ・
イタリア
元運送屋街を北イタリア調で再開発した町並み

東京都
港区
東新橋2



交通

JR山手線
新橋駅下車


国道15号線



東新橋2




2004.07.04
東京汐留再開発の中の一エリアで、旧東海道である国道15号線の一本東側の通りとJRとの間の地区。元は汐留操車場の運送屋街で、約70名の地権者がいる。イタリア人建築家やコーディネーターが監修し、街を丸ごとイタリア調にしてしまおうというプロジェクトで、イタリアのライフスタイルを展開する新しいコンセプトの街である。2003年11月に、中心広場である「ピアッツァ」がオープンし、 周辺の店舗も順次開業に向けて準備が進められている。グランドオープンは2006年の予定。
一般に再開発というと大型のビルが建てられるが、ここでは中小規模のビルが密集する。中央広場を取り囲む町並みには、再開発らしからぬペンシルビルが建ち並んでいる面もあり、それらもすべてイタリア調。ブティックやインテリアショップ、レストランなどイタリア系の店を中心に出店が予定されている。最終的には東京ドーム約1.2個分の面積に、住宅・オフィス・店舗・ホテル・見本市会場など建物35〜50棟、商業施設100店舗を備える規模になるという。
たいそう不思議な町並みと思うかもしれないが、これがなぜか「新橋」という立地に合っている。ガラス系の高層ビルが林立する汐留シオサイトはJRの外側だが、チッタイタリアはJRの内側。旧東海道沿いに形成された旧市街のスケールと様式になんとなく呼応しているのだ。新橋駅周辺は、国道15号線沿いに戦後高度成長期の色濃い町並み、一本西側が戦前の建築を含んだ密集市街地、一本東側が未来志向とイタリア調の新市街。時代とスケールの混在が、いかにも東京っぽくて面白い。

左:旧東海道(国道15号線)の一本東側の通り。通りの先にシオサイト地区の日テレタワーが見える。向かって右がチッタ・イタリア地区。左は国道沿いの既成街区。

中央広場「ピアッツァ」の周りの建物。地権者が多いため、再開発地区でありながらこのような高層ペンシルビルが生まれてしまう。まとまって大きなビルにするより面白い気もする。
チッタ・イタリア全体の景観ルールは、建築物の色味やデザインを北イタリアテイストで統一することであり、ルネサンス時代の伝統色として定着している5色を基本色に指定している。

左:場外馬券売り場のWINS汐留。チッタ・イタリア地区のシンボル。16世紀ルネサンス末期に活躍した建築家パラディオの設計した「バシリカ」の外観をモチーフにしている。馬券売り場と建物様式とのギャップがすごすぎる。
参考資料 リンク
港区

参考文献