桑平 道路整備が進む前の景観が見られる山岳集落

徳島県
つるぎ町
(旧一宇村)
桑平




交通








桑平



1995.09.17
四国山地東部にある徳島県祖谷山は、日本を代表する秘境として知られる。わが国の秘境は西日本外帯山地とに多く、落人伝説、焼畑農業、そして山腹に立地する「天界の村」の分布地域と重なるのである。天界の村は剣山西側の祖谷山だけではなく北側の旧一宇村、東側の旧木屋平村にも分布する。山の中腹に集落が形成される天界の村の中でも、四国山地東部はその数と規模においてわが国随一である。
旧一宇村(いっちゅうそん)は吉野川の支流、貞光川の上流域を占める山村で剣山の北麓にあたる。南北朝時代には阿波山岳武士の拠点であった。たばこの産地として知られ、剣山登山の玄関口でもある。その一宇村の中でも最奥に位置するのが桑平集落で、ここを過ぎると道は険しい登坂を繰り返し剣山見ノ越へ通じる。山岳集落は斜面上に畑と人家を等高線に沿って並べた形態をとる。家々への接道は年々整備されているが、桑平の民家へは最後まで道路整備がなされていなかった(現在どうなっているかは不明)。
急斜面に寄棟民家と畑がへばりつく桑平の集落。
徳島県らしく主屋と隠居屋が並ぶ配置形態。
屋敷地は石垣を積み上げ僅かな平地を造成する。
側面から眺めた屋敷地。
前庭はそのまま等高線方向の通過動線にもなる。平地が足りないので、作物を干す木柵が組まれる。
山岳集落の前庭は何処も同じく狭い。
軒下の桁材と外部柱に丸太を用いるのがこの地方の特徴。

河内集落(左上、上)
剣山(左)
参考資料 リンク
つるぎ町

参考文献