大沢岩科 西伊豆松崎周辺に見られる海鼠壁建築と集落

静岡県
松崎町
大沢
岩科
岩科北側





交通






大沢



岩科




2007.05.27
松崎は伊豆西海岸で最も大きな港町である。那賀川河口の松崎港はカツオ・マグロ遠洋漁業の根拠地。町には海鼠壁に覆われた立派な商家が残っており、西伊豆の町並み観光として有名になった。
その松崎市街から離れた町内全域にも海鼠壁の建築が見られる。大沢は、松崎から下田へ向かう途中にある集落で、旧依田邸(国登録有形文化財)を保存活用した大沢温泉ホテルがある。依田邸は甲州武田勝頼の重臣であった祖先が、松崎大沢に逃れ、武田氏の威力を示す御殿を建てこの地方一帯の豪族として江戸時代を経過した家である。大沢温泉ホテルは、土蔵などを改修し、庭園を生かした活用を行っている。
大沢とは一本谷を異にする岩科には明治13年に建築された岩科学校(国重要文化財)が保存されている。岩科学校は、海鼠壁を使った社寺風建築様式とバルコニーなど洋風を取り入れた伊豆地方最古の小学校である(全国でも3番目に古い)。また、岩科学校から谷を遡ると海鼠壁つくしの民家が数多く残っている。
大沢温泉ホテル(旧依田邸)
なぜこんな中心市街から離れた場所にこんなに立派な住宅があるのか不思議に思える。(左)

中庭は四方を建築で囲まれており、非常に居心地の良い空間になっている。(下)

旧依田邸の蔵は内部を改修し活用されている。(上)
旧依田邸の主屋と内部(左上、左)

岩科学校(明治13年竣工)。


2階の西の間には、入江長八が描いた千羽鶴が舞っている。
岩科北側集落の町並み。
岩科北側集落の町並み。
峰集落
峰集落で見られた海鼠壁

峰集落の海鼠壁蔵
最奥の集落
参考資料 リンク
松崎町

参考文献
『民家巡礼 東日本編』 溝口歌子・小林昌人 相模書房