粕淵 銀の陸運と水運の結節点としてにぎわった宿場町

島根県
美郷町
(旧邑智町)
粕淵





交通
JR三江線粕淵駅下車





粕淵





2014.05.31
江川は、広島県島根県境中部、三坂峠付近に発し、中国山地を横切って江津市で日本海に注いている中国地方で一番大きな川。その流域面積は広く、河岸段丘を形成し、近世は「たたら」製鉄と結びついて水運が栄えた。その江川の中流、大きくUターンして流れの方向を変える円弧の外側の河岸段丘に形成されているのが、粕淵である。江戸時代は、大森代官所に支配されており、銀山街道が通っていた。つまり、陸運と水運の結節点として栄えた町である。大森で採掘された銀は、温泉津から海上輸送されたことで知られるが、1960年頃から中国地方を横断する陸路(江川の水運を利用)が整備され、当時小原(おばら)と呼ばれていた粕淵の川原で荷を付け替えていた。小原は銀山街道の宿場町であり、江川の川原近くに小原口番所や本陣が置かれていた。
粕淵の町並みは、旧銀山街道のルートに沿って見られると言いたいところであるが、旧街道から浄土寺へ向かう街道とは別の通りによく残っている。幕末期の本陣を勤めていた林家の跡が料亭旅館となっており、その周辺(浄土寺前)に見どころの歴史的建造物が集まっている。宿場町の形成、船着き場との関係など、何らかの理由があるのだろう。
粕淵 旧銀山街道の町並み
粕淵 旧銀山街道の町並み
造酒屋だった屋敷
粕淵 旧銀山街道から浄土寺へ向かう通り。右手の大屋敷が幕末期の本陣林家。
粕淵 幕末期の本陣林家の屋敷
(上、左)
粕淵 浄土寺前の町並み
粕淵 浄土寺前の町並み

粕淵 浄土寺前の町並み(上、左上)

粕淵 駅前通りの町並み(左下)
参考資料 リンク
美郷町


参考文献