鳥居本 平入塗籠め2階屋の町家が軒を連ねる宿場町

滋賀県
彦根市
鳥居本



交通

近江鉄道本線
鳥居本駅


国道8号線



鳥居本
中山道が佐和山東側の鞍部を北に越えたところに細長く連なる宿場町。かつての東山道はここから東へ擂針峠を越えており、北陸街道や朝鮮人街道が分岐する交通の要衝であった。江戸時代の中山道鳥居本宿は、本陣が1軒、問屋を兼ねる脇本陣が1軒であった。
近江鉄道の鳥居本駅を下りるとかわいい駅舎が出迎えてくれる。1931年に建てられた洋風建築である。駅前の国道8号線を横切りまっすぐ進むと旧中山道である。ここが宿場のほぼ中間地点で、ここから南北に歴史的な町並みが見られるが、見ごたえのある町家は比較的左側(北側)に残っている。袖壁に藤の家紋を配した旅籠「大藤屋」、玄関の柱に馬繋ぎの輪を残す家、「本家合羽所木綿屋 嘉右衛門」と書かれた道中合羽形の看板を軒に吊り下げた家などがある。鳥居合羽は馬場弥五郎なる人物が大阪で四国伝来の合羽製作技術を学び、坂田屋という屋号で商いを始めたのがその起源だという。
一直線の鳥居本の町は北の端で大きく右に折れる。その突き当たりに立ちはだかる大きな家が「赤玉神教丸本舗」である。下痢、腹痛、食傷に効果のある薬を売る大店は、1658年の創業。当時かなり売れたと言われているが、その佇まいから疑いようがない。
鳥居本宿と番場宿の間で北国街道は中山道から分岐し米原へ向かう。
近江鉄道は1931年に彦根〜米原間に開通、鳥居本駅はその時建設された洋風建築。
鳥居本宿南側の町並み。
赤玉神教丸本舗から南側はひたすら一直線だ。
鳥居本宿南側の町並み。

宿場町に建つ洋風建築。
木部を赤茶に塗った住宅。
中山道の愛知川あたりから柏原にかけて現れる。
本家合羽所木綿屋
軒に吊り下げられた道中合羽型看板

近江地方の町家の2階塗り籠め部分の形状は様々なものが見られる。

宿場北側の突き当たりの赤玉神教丸本舗。旅人はこの店に必ず立ち寄って、旅の薬を買い江戸や北陸を目指したのであろう。
参考資料 リンク
彦根市


参考文献