醒井 湧水の清らかな流れに沿った旧中仙道の宿場町

滋賀県
米原町
醒井



交通

JR東海道本線醒井駅下車


国道21号線



醒井
醒井宿は中山道61番目の宿場町。南側の山からの湧水は地蔵川となって宿場町の中を流れる。地蔵川がいかに清らかかについては、清流にしか生息できないハリヨやバイカモなどの動植物が繁殖していることによって証明されている。宿場町の中間やや西よりに地蔵川をくの字に2度跨ぐ橋があるが、そこから東側(中町・地蔵町)は旧街道と地蔵川が並行し両側に歴史的な町家が並ぶ。一方、橋から西側(西町)は中山道と清流は離れ、醒井駅への通り(大正通り)を分岐する。
加茂神社の前には醒井の名の由来ともなった居醒の清水が湧き出している。伊吹山の大蛇退治で遭難した日本武尊が、この清水で熱を冷まし気分を回復させたという伝説がある。他にも十王水、西行水があり醒井三水に数えられている。
中町・西町の町並みは、片側が街道沿い、片側が地蔵川を一軒一軒が橋で越えてアプローチする形態である。切妻、平入混じった町家が並び、地蔵川には石段が設けられており、炊事、洗濯などに利用されていた。駅前に分岐した通りにはヴォーリーズの設計した旧醒井郵便局(昭和9年)が見られる。
宿場西端辺り(昭和町)の町家。
2階が高く時代は近年のものであろうが、木部が赤く塗られている。
西町の町並み
旧中山道には草葺屋根(トタンカバー)の町家も何軒か見られる。
地蔵川をくの字に渡る橋。左が旧中山道で番場宿へ、右が旧醒井郵便局の前を経て醒井駅へ。
端の袂に余呉型民家の八百屋さんがあって重要なランドマークとなっている。
大正通りの松尾寺
大正通りの旧醒井郵便局は近江で活躍したウイリアム・メレル・ヴォーリーズ設計。
醒井三水のひとつ「十王水」
地蔵川
街道側、民家側に石段が見られる
加茂神社前の居醒の清水
ここから地蔵川が流れ始める
西町の町家
新町の町家
余呉型民家の商家が向き合う一角
参考資料 リンク
米原町


参考文献
『日本の町並みT 近畿・東海・北陸』 西村幸夫監修 平凡社