妻入入母屋の土蔵造りが並ぶ町並み

佐賀県
白石町





交通

白石広域農道









2003.12.29
白石平野は、古代は海底であったが、自然陸化した土地を長い歳月をかけて干拓干陸された。白石町のほとんどが標高6m 以下の平坦地で、粘土質壌土の肥沃な土地は、米、麦、野菜、施設園芸等の農業好適地帯となっている。
白石平野の西の堤集落は、かつては須古城下の町から発展したもので、条里制の区画に自然発生的に環濠屋敷群の形態が形成されたものである。
町並は、一本の通りに面して妻入入母屋の土蔵造りが並んでいる。土蔵造りということは漆喰が厚わけで、軒の材が見え無い。この軒を逆Rの曲線で仕上げるのも九州でよく見かける。
城址である小学校から延びる写真の通りはここで北へ折れる。南北の通りに町並が見られる。
土蔵造りといわれる所以は、漆喰の厚さにある。入母屋妻入の町家は北部九州に多いが、軒の木組を見せる塗屋造りに対して漆喰で木組を覆ってしまう。曲面で仕上げるのは九州でよく見かける。また、開口部は小さく、鉄製の扉でふさいでいる。
一本の通りに、成立時期の早い白川町、黒木町、近世に成立した横町、新町が連なる。
北九州の町家は玄関が大きく引っ込んでいるのが多い。また、1階屋根の両端の柱・壁を漆喰で固めている例も多い。
町並の中で最も立派な家。白とグレーで統一された美しい民家である。
土蔵造りの町家
屋敷の背後には環濠がめぐっている。
白石町はくど造り民家の分布地域でも有名である。トタンでカバーされずに草葺が見られる民家も少なくなってきている。
参考資料 リンク
白石町

参考文献
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社