波照間 サトウキビ畑に囲まれたわが国最南端の集落

沖縄県
竹富町
波照間



交通






波照間




2012.01.21
石垣島の南西63kmにある日本最南端の有人島。島のほぼ中央、灯台のある付近が最高点60mでサンゴ礁に囲まれた楕円形である。かつて、島で人頭税に苦しめられていた40人が、税吏の手の届かない幻の島・南波照間島へ一夜のうちに旅だったという伝説がある。17世紀には琉球王府の政策で、西表島や石垣島に数百人が移住させられた歴史もある。戦前はリン鉱の採掘でにぎわった。現在の島の産業の中心はサトウキビ栽培で、島の製糖工場で製品化されている。史跡には長田御嶽やアカハチ生誕の地があり、高那崎の絶景や日本最南端の碑、星空観測タワー、ニシハマビーチなどが見どころである。

楕円形状の島の中心エリアに集落が形成され、周りが畑という典型的な隆起サンゴ礁の島の集落立地である。しかし、竹富島のような全体が単純な整形街区というのではなく、微地形にしたがって変化しており、東へ行くほど石垣や家屋の保存状態が良い印象だ。同じ町内にある重伝建の竹富島とは違って、まったく町並み整備は行われておらず、自然体の八重山地方の島集落を見ることができる。
楕円形の長軸に重なるように集落内の主軸となる通りがあり、それに対して直交する軸の通りが場所場所で奥行が異なっているも大きな集落である。(上)

この島ではあまりヒンプンを見ないが、今でも残っている屋敷の一つ。(左)
サンゴ礁の石垣(左上)
サトウキビの収穫(上)
分棟型の民家であろうか(左)
最南端の電気屋さん(左上)
最南端の造酒屋さん(上)
琉球石灰岩を積み上げた蔵(左)
島の物販店(左上)
島の飲食店(上)
青いペンキが赤瓦やグレーの白木とよく合う(左)
家の中から三線の音が聞こえてきた
日本最南端の碑(上)
おそらく日本で最南端にあたると思われる家(左上)
琉球石灰岩の丁場。埋蔵量は心配なさそう(左)
ニシハマビーチ
曇りでもこの蒼さ!
参考資料 リンク
竹富町

参考文献
『図説 日本の町並み12 南九州編』 太田博太郎他 第一法規
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社