有漢 吉備高原 有漢川の河岸段丘上の街道集落

岡山県
高梁市
有漢町
上市
下市




交通








有漢



2006.03.19
有漢(うかん)は、吉備高原の真っ只中、高梁川に注ぐ有漢川の緩やかな谷にある集落である。周辺はマスカット、葉タバコ、米、しいたけなどが栽培されている農村地帯。有漢市場は、高梁と落合を結ぶ街道・落合往来の要地で物資の中継地として商業が興った。「市場」と呼ばれるようにかつては定期的に市が立った場所で、中津井の市で有名なブリの売れ残りが持ち込まれて売られていたため、「売れ残り市」などと呼ばれていたという。
高梁方面から落合方面に向かって町並みを歩いてみよう。町は右手を流れる有漢川の河岸段丘上に細長く続いている。有漢市場というバス停の辺りが町の中心である下市地区で、切妻平入で随所に海鼠壁が施された町家が軒を連ねている。しばらく行くと右手に寄棟2階建ての洋館が現れ、向かい側に小川の上に建っている珍しい民家がある。その先で有漢川が屈曲し町並みが一旦途切れている。振り返ると川の際に石垣を積んだ下市地区の裏手の家並みが見渡せる。
ここからは上市地区で、視線の先に大きな民家が横たわっている。近づくにしたがってその迫力が増してくる。この家は芳烈酒造で、主屋は明治22年に建てられた。迫力はその高さで、明治の建物らしく2階の建ちが高い。虫籠窓の大きさも半端ではなく、軒の出も大きい。そして屋根は赤瓦である。山陰の赤瓦をふんだんに用いてるのはステイタスの表現なのであろうか。町並みは隣の芳烈酒造の酒蔵で終わっている。

有漢市場はかつて市場が立っていた場所町である。

下市の町並み。有漢の中心地。(左上、左)
下市の町並み。

小川の上に建っている民家。1階は川である。(上、左上)

寄棟2階建ての洋館。(左)
有漢川と下市の川沿いの町並み景観。(上)

上市の町並み。(左)

有漢の町並みの目玉、下市の芳烈酒造。主屋は明治22年に建てられたもので、大きく迫力がある。屋根は赤瓦で、虫籠窓の大きさも半端ではなく、軒の出も大きい。どこの町も酒屋は豊かである。
参考資料 リンク
高梁市

参考文献