鶴見大島 鶴見半島の先端沖に浮かぶ石垣の密集系島里

大分県
佐伯市
鶴見
大島





交通
佐伯葛港より定期船





鶴見大島




2019.03.22
佐伯市の東約15km、鶴見半島先端近くの豊後水道に浮かぶ、小さな大島。島の東側は太平洋の荒波が打ち寄せる断崖絶壁で、豊後水道自然公園に指定され、雄大な景観は目を見張るものがある。西側に船隠・田野浦・地下の3集落がある。一本釣漁業が主産業で男たちが腕一本でささえる漁業の島である。最近、島の西側に沖合養殖場が造成され、ブリ、タイなどが養殖されている。その品質は素晴らしく、市場の評価は高い。佐伯湾口の交通の要衝に位置することから、慶長11年(1606)に毛利佐伯藩の船番所が置かれて開発が進んだといわれ、加茂神社や「とび太鼓」などの文化遺産、「壇の窓」に代表される自然のおりなす景観が素晴らしい。(「シマダス」参照)

佐伯葛港から高速船で30分。鶴見半島先端沖に大島はある。定期船は大島内の地下(じげ)港と田野浦港へ寄る。

地下(じげ)の町並み
港から一本の縦道が奥へ奥へとのびている。斜面を宅地化するための石垣が段々になっており重要な景観要素になっている。

地下(じげ)の町並み
緩斜面上の集落中ほどにある加茂神社、境内から集落を俯瞰できる(左上)。
地下集落の端にあるコンクリートゲート。おそらく防風壁であろう(左下)。

田野浦の町並み
地下と対照的で比較的平らな土地に広がっている(上)。
海岸線に直交する縦道が何本も奥へとのびている(左下)。
大潮の時期で海藻採り(上)。
田野浦の町並み
海岸線の石垣石塀。防潮を兼ねているのであろう。
田野浦の町並み
田野浦の町並み
田野浦の町並み
屋根付きの共同井戸があった(上)。面白いもので、屋根がついているだけで、「場」に「空間」が形成される(上)。
井戸から港への縦道。石垣が続く。(左)
田野浦の町並み

田野浦の町並み
密集系漁村ならではの細い道と下見板張りの壁。生活排水路(上)。
田野浦の町並み
瓦を押さえる漆喰が施された屋根。体風常襲地域であることを表している。
集落を俯瞰できる、あるいは集落内のどこからでも見える斜面上に広がる墓地は、密集系漁村の典型。(左下)

船隠の町並み
田野浦と船隠をつなぐトンネル(上)。かつての海岸線(現在は埋め立て地)を示す防潮の石塀。大分県愛媛県問わず台風常襲地域である豊後水道の集落にみられる共通要素である。(左下)
参考資料 リンク
佐伯市

参考文献