大分 大分港の片隅で往時を偲ばせる妓楼建築群

大分県
大分市
生石港町




交通
JR日豊本線西大分駅下車徒歩





大分




2009.12.23
大分市の遊郭は大分港の西岸にあった。『全国遊郭案内』(昭和5年)によれば下記の通り。
大分港遊郭は大分県大分市大分港町に在って、日豊本線西大分で下車すれば西北約5丁、電車は「かんたん」に下車すれば宜しい。大分市は九州東海岸唯一の市で県庁の所在地、元大友氏の城下町で、城址は今県庁、水産試験場、女学校等に成っている。檜物細工は此処の特産物に成って居る。港町からは笠結島が見えて景色は殊によい。遊郭には貸座敷が22軒あって、娼妓は190人居る。
この地は現在、生石港町という地名で、おそらく港整備のために埋め立てた土地なのであろう。整然とした町割で、海に向かう目抜き通りに面して大店が軒を連ねている。建物外観は全て伝統様式であるが、戦後赤として営業したため1階玄関周りはモザイクタイルの張られた洋風に設えている。今や空き地になった敷地も目立ってきているが、これだけ残っていれば町並みとしての評価は高い。
大分市内の大分銀行赤レンガ館
大正2年(1913年)に建てられた旧第二十三国立銀行本店。一目瞭然、建築家辰野金吾(辰野片岡建築事務所)の設計。
突き当たりは大分市役所
大分城の隣で瓦を使った外装。

JR日豊本線西大分駅(左)

西大分駅からかんたん地区へ向かう商店街(上)
かんたん地区入口あたり
妓楼風建築と銭湯
目抜き通りを入って行くと妓楼が見えてきた。
目抜き通りの町並み
基本的に伝統様式だが玄関周りだけは戦後カフェーにしなければならなかったため、タイル張りで洋風にしつらえている。

玄関周りさまざま
和風洋風の濃淡はあれど、必ずタイルを使ってカフェー調にしている。

旧大分港遊郭の町並み

旧大分港遊郭の町並み
参考資料 リンク
大分市

参考文献
「赤線跡を歩く2」木村聡 自由国民社