津川 「とんぼ」と呼ばれる雁木が続く水陸交通の結節点

新潟県
阿賀町
津川





交通

JR磐越西線津川駅下車徒歩





津川




2005.08.14
津川は阿賀野川の上流域のある小さな盆地状の町で、近世は会津松平氏が統治していた関係で、明治19年までは福島県に属していた。阿賀野川の水運が盛んだった頃は、会津方面への河港であり、会津街道の宿場町でもあった。また、周辺の山林から伐採される木材の集散地でもあった。
津川の町は、西の端にあった港口に近い住吉神社から始まる。湊町、仲町は一直線の町。横町が大きく鈎型にクランクし、上町まである。現在はさらに東の田町、原町まで続いている。長さ1kmに及ぶ町並みの特徴はなんと言っても「とんぼ」と呼ばれている雁木。町家は妻入が基本で、妻面の真壁の意匠が特徴である。
阿賀野川と支流常浪川が分岐する間の山に津川城が築かれていた。
かつて河港があった港口付近の町並み。写真突き当たりに見えるのは川である。(左)

湊町の平田家は、藩の御廻米問屋、御用達、新潟への船運による交易、草倉銅山の経営、味噌、醤油の醸造販売など幅広く商業を営み、山林王とも呼ばれ、明治11年には第三十一国立銀行を会津若松に開業したという豪商である。(左下)

湊町の町家
妻入り、真壁が特徴。(左下)

江戸時代の町割り

新潟では一般に「雁木」と呼ばれているアーケード空間だが、ここ津川では「とんぼ」と呼ばれている。
仲町から城に向う通り。
仲町から横町へ折れるあたり。
上町の裏側を通る「だんりん小路」。かつてお寺があったらしく上町から湊町へ抜ける古道だったようだ。(上、左)
上町の町並み
坂道のため「とんぼ」(雁木)も段々になっている。(上、左)
田町の町並み
江戸時代の絵図では町の外だが、現在では続いている。田町という名からもとは遊郭か?。古い旅館が建っていた。
田町の町並み
原町の町並み
参考資料 リンク
阿賀町


参考文献
『日本の町並みV 関東・甲信越・東北・北海道』 西村幸夫監修 平凡社