三条 金物産業で潤った遊郭を前身とする雪国の歓楽街

新潟県
三条市
本町1,2,3





交通

JR弥彦線北三条駅下車徒歩





三条





2009.01.24
新潟県三条市は、中越地方の商工業都市である。鎌倉時代初期に越中守護三条左衛門定明の居城であったことに由来すると言われる。古来より信濃川の河川交通の河港で、北陸街道の宿場町・市場町であった。享保年間(1716〜1736年)頃から金物鍛冶が始まり、泉州堺、播州三木とならんで日本三大金物町とうたわれる。信濃川の対岸に位置する燕市も金物の町だったが、戦後は洋食器製造に転向した商工業都市。両市は互いにライバルで、上越新幹線の駅は両市の名を並べた燕三条駅、北陸道のインターは三条燕インターというのも面白い。
本町は三条市の旧市街で、商店街の北側一帯は「本寺小路」という新潟にも負けず劣らずの歓楽街である。三条御坊と称された本願寺東別院は元録16年(1703年)に完成し、その門前町である本寺小路もこの時に造られた。文政3年(1820年)の記録によれば、「本寺小路両側旅籠にて、豆腐、生麩、饂飩、料理、茶屋、貸し座敷これあり、芸者、踊り子、舞妓、遊女これあり。」とあり、当時から一大歓楽街であったことが窺える。時代は下って、戦後赤線時代の昭和33年に発行された「よるの女性街・全国案内版」によれば、「名にしおう美人の名所。長岡も焼けて風情がなくなったし、小千谷も市政がしかれ鄙びた味に乏しくなってきたのでこの周辺では三条が光ってきた。赤線は本寺小路にあり、約50軒175名いる。」と記されている。
現在の本寺小路は、金物産業で潤った時代の遊郭が次第に赤線、やがてスナック街へと変化した典型的な町である。商店街の裏町に位置するのも典型的だ。妓楼系は木造三階建ての料亭のあるあたりに見られるほかはほとんどがスナック店。「雪国の歓楽街」という雰囲気満点の町である。
木造三階建ての妓楼(左下)も残る本寺小路の広い通り(左)

商店街の脇の路地を入るとすぐにスナック街(上、下))

本寺小路の旧料亭(左)

本寺小路の町並み(上、左上、左)
本町の商店街の町並み
本町の商店街の町並み
本町5丁目界隈の町並み
この周辺は鍛冶屋の町だったところ
参考資料 リンク
三条市

参考文献