御所 古い町並みが町全域に残る生きた歴史都市

奈良県
御所市
御所





交通

JR和歌山線御所駅下車





御所




2005.09.04
御所は奈良盆地の南西端に位置している商工業都市である。江戸時代初期に桑山氏の城下町、廃藩後も代官所が置かれて地域の行政の中心であった。市街地は奈良盆地から吉野川・紀ノ川流域に至る交通の要衝で、商業が発達した。江戸時代、御所の浅田松堂によって大和絣が発明され、周りの綿花栽培を背景に特産物として有名になった。また、大和売薬の製造や採種栽培による絞油業でも繁栄した。
御所の町は、葛城川の両側東西に形成されている。西御所は城下町の基盤を残している碁盤目状の街区構成で、ほぼ全域に古い町並みが見られる。中でも本町付近に商業の中心があったらしく大きな商家が残っている。西御所は、元文5年(1740年)に「御所流し」と呼ばれる葛城川の大洪水で被害を受けている。東御所は西御所から東へ延びる御所街道に沿った町並みである。
町家は表通りに面して切妻平入りのつし2階で、2階を漆喰で塗り籠め虫籠窓を開け、屋根は本瓦が基本である(桟瓦に変わっているものも多い)。
御所の古い町並みは質量共に一級であるが、特に保存が図られているわけでもないようだ。一方、町の商業中心がずれて寂れて残っているわけでもなく、いまでも商業地として古い町並みが息づいている。これは大和という土地の歴史的蓄積の豊富さと継承維持の意識の高さに起因しているのではないだろうか。御所は全国的にも貴重な生きた歴史都市であろう。
中央通2丁目の町並み
西町の町並み
西町の町並み

西町の町並み
新地町新地商店街の町並み
御堂魚棚町の町並み

御堂魚棚町の町並み
神宮町の町並み

中本町の町並み

中本町(上)・本町(左)の町並み

本町葛城川近くの町並み(左上)

東御所大橋通りの町並み(左)

大橋通りにある県内最古の町標(上)
参考資料 リンク
御所市

参考文献