佐世保
戸尾
戦災のない佐世保 防空壕を利用した市場街

長崎県
佐世保市
戸尾町





交通
JR佐世保線佐世保駅下車






戸尾





2018.03.22



佐世保港は高後崎と西彼杵半島寄船崎を港口とする天然の良港で、1886年(明治19年)海軍鎮守府設置以来、軍港として繁栄した。市街は日中戦争、第二次世界大戦を契機に拡大し、戦後は一時衰えたもののアメリカ軍や海上自衛隊の基地、重工業の発達により活況を呈した町である。軍港のあった佐世保は、第二次世界大戦時の空襲を受けているので、中心市街地はほとんど戦災地区であると思い込んでいたが、改めて「日本戦災都市概況図佐世保市」を見てみると、佐世保駅から佐世保中央駅にかけての商店街や飲食店街を含む繁華街は、非戦災地区であることが判った。
戸尾町は、佐世保の入り組んだ海岸地形が平地(埋立地)と接する町で、旧戸尾小学校の敷地だった台地の崖線下に市場街が形成されている。ここは戦災地区と非戦災地区の境目でもあり、こういう場所に戦後の闇市が造られるので、戸尾の市場街も成り立ちはそうであろう。そして、注目すべきは通称「とんねる横丁」である。現在16の店が並んでおり、約20の横穴が掘られている。つまり、この崖には元々防空壕が掘られていて、焼け出され住居のない人々の一部が店舗(闇市)として、防空壕を活用したのが始まりだそうで、戦後新たに掘られたものもある。一方、崖線南東側の戸尾中央通りは非戦災地区の町並みがみられる。背後は急傾斜地上の住宅地で佐世保らしい景観だ。
戸尾市場街の町並み
戸尾市場街の町並み
一通りの食材が手に入る
戸尾市場街の町並み
「くじら中林」という名の店があるところが、捕鯨の盛んだったエリアならでは。
戸尾市場街の町並み
衣料品もある。
とんねる横丁の町並み

とんねる横丁の町並み
戦中に掘られた防空壕を利用した店舗街。
とんねる横丁の町並み
とんねる横丁の町並み
黄色が元々の防空壕、茶色が戦後新たに掘られた穴。こんなに堀まくって大丈夫かな。
戸尾中央通りの町並み 

戸尾中央通りの町並み
戸尾中央通りの町並み
通りから一本入ったところ
参考資料 リンク
佐世保市

参考文献