中根 炭焼山から遠山川へ下る尾根上の長い集落

長野県
南信濃村
上中根
下中根





交通





中根




2019.05.02
遠山郷は、飯田市に属する旧上村・旧南信濃村にあたり、東を3000m級の南アルプス、西を1800m級の伊那山脈、北を1300mの地蔵峠、南を1000mの青崩峠という隔絶性の高い谷である。谷には地質上日本を外帯と内帯とに分ける中央構造線が通り、谷形は壮年期または晩壮年期、山腹は20度から40度の急斜面で氾濫原は極めて少ない。遠山の名の起こりは、周辺のどの国からも遠いという意味で、この辺りの山岳地域を呼ぶ総称だったようだ。鎌倉時代、地頭から起こっているこの地方で実権を握った豪族遠山氏は、近世に入って和田(旧南信濃村)に城を築き統治した。日本三大奇祭のひとつに数えられる遠山郷の「霜月祭」は、不運な死を遂げた遠山様の怨霊を戒めるためともいわれている。江戸時代は幕府が豊富な森林資源に目をつけ天領とし統治した。明治以降は、主に林業で栄えた。農業ついては、水田が極めて少なく畑作が中心である。畑は山畑が多く、20〜40度の斜面を耕作しており、斜面が急な割には石垣を造らないゼリ畑という等高線耕作を行っている。かつては焼畑を行っていた。
旧南信濃村は、秋葉街道塩の道の宿場町だった和田を中心に、遠山川の氾濫原と支流含めた傾斜地上の集落=天界の村が分布している。旧南信濃村の北端にある中根集落は、旧上村下栗と同じ炭焼山(1553m)の山腹遠山川に面する斜面上にある。中根集落の特徴といえば、炭焼山頂から遠山川・上村川分岐点に向かって下っていく尾根上に長く続いていることで、上部を上中根、下部を下中根という。集落の最上部が標高1070m、最下部が標高630mだから、高低差440m、長さ2.5kmに及ぶ。
炭焼山から下る尾根と上中根集落
ドローン空撮
炭焼山から下る尾根と下中根集落
ドローン空撮。左の谷が遠山川、右の谷が上村川、尾根が両川の分岐点に向かって下っていき、中根集落が細い尾根上に続いているのがわかる。
上中根の町並み
上中根の町並み
上中根の町並み
上中根の町並み
上中根の町並み
板蔵があった
上中根の町並み
上中根の町並み
上中根の町並み
上中根の町並み
上中根の町並み
下中根の町並み
参考資料 リンク
飯田市

参考文献