茅野 背の高い多層寒天蔵と石屋根の見られるまち

長野県
茅野市
宮川
高部





交通

JR中央本線茅野駅下車徒歩





宮川



高部




2005.09.25
茅野市は諏訪盆地の端から八ヶ岳の裾野に広がる市である。市街地は国道20号線沿いに発達し、通信機械、カメラ部品、時計などの精密機械、食品加工業で発展した。一方市街地周辺の農村は、大正から昭和期にかけて岡谷の製紙工場へ生糸を供給する養蚕業が盛んになった。茅野市宮川地区を歩くと見慣れない多層の蔵造り建物が見られる。茅野は、寒冷な気候を利用した寒天作りのための蔵である。
また、この地域の民家の特徴として地元で算出する鉄平石で葺いた屋根がある。市街地ではあまり見かけることは出来ないが、周辺農村では付属屋で残っている。
諏訪大社上社近くの高部地区に、建築史家であり建築家でもある藤森照信氏の設計による「神長官守矢資料館」という建物がある。45度に振られた背の高い土蔵とそこから葺下ろされた肉厚の鉄平石の屋根の造形は、背の高い蔵と鉄平石の屋根という茅野の風土性に呼応している。

町の中に際立っている多層の寒天蔵(左)
茅野は寒冷な気候を利用した寒天作りが特産。冬の風物詩となっている。(上)
寒天蔵は3階建てから4階建てで迫力がある。多層の屋根と庇に腕が付くのが特徴。
このような多層蔵の形態は、養蚕の盛んだった兵庫県但馬地方の八鹿町周辺でも見られる。
鉄平石の屋根。市街地えは見ることが少ないが、周辺農村では付属屋の屋根にまだ見られる。(上)

神長官守屋資料館。茅野の民家形態と呼応する建築。(左)
神長官守屋資料館の屋根の鉄平石。
神長官守屋資料館の近くの土蔵。
神長官守屋資料館背後にある杖突峠から茅野市を見下ろす。前方は八ヶ岳。茅野方面から見た山並みに八つの頂があることから「八ヶ岳」と呼ばれるようになったという。
参考資料 リンク
茅野市

参考文献