野々島 横穴が連続する凝灰岩の崖線を背にした集落

宮城県
塩竈市
浦戸
野々島河岸





交通
塩竈港より市営フェリー






野々島





2018.06.30


浦戸諸島の中央に位置する島。南北に長く横たわり複雑な海岸線を特徴とする。集落の南には長者屋敷と呼ばれた場所があり、内海長者がいろは船で密貿易をし、巨万の富を蓄えていたと伝えられている。島のいたるところに見られる洞窟、林の中の細い道や苔むした階段などを歩けば、そのような伝説を強く感じないわけにはいかない。桟橋には浦戸諸島開発総合センターがあり、ここでは貿易ならぬ、様々な交易の拠点として、新たな伝説が作り出されている。(「シマダス」参照)
浦戸諸島とは松島湾の入り口を塞ぐように並ぶ島々のことで、東日本大震災の大津波の時、松島湾へ押し寄せる津波のエネルギーを吸収したと言われている。殆どの観光客が野々島で下船した。浦戸諸島の中で最も観光要素があり、というか他にはほとんどない。野々島で見られる「ボラ」は、島の地盤を形成している柔らかい凝灰岩に掘られた横穴のこと。昔の人が資材置場などに使用したという言い伝えがある。3.11の大津波でボラの周りの家は無くなっているが、ボラの中には風呂場の後や屋根が取り付いていた跡も見られるため、家屋の一部として利用されていたものもあったであろう。

浦戸諸島への船が発着する塩釜港・マリンゲート塩釜(上)
港の防波堤には、大津波の傷跡がそのままであった。
瑞巌寺参道(発掘作業中)の入り口角に建つ建物が修復工事中
野々島では、湾内の島や集落の背後の斜面(崖線)に、人工で掘った洞穴が目立つ
ボラのつくられた崖線
海産物の貯蔵などに横穴を利用することは他の地域でも聞いたことがあるが、祭壇みたいなものがある。
風呂場になっているボラもある
ボラの穴の上に屋根が取り付いていたと思われる跡もある
2011.3.11の大津波で建物がかなり減ったと思われる。以前は、ボラの形成されている崖線際まで家屋が建っていたのであろう。 
野々島の民家
大津波により古い家屋は見当たらなかった
石蔵のボラ
家屋が岩の壁に取り付いていた跡
参考資料 リンク
塩竈市

参考文献