村田 紅花で栄えた東北随一の店蔵の町

宮城県
村田町
村田





交通

JR東北本線大河原駅下車バス利用





村田




2001.07.22
2005.05.21
鉄道はしばしば旧街道から離れて敷かれる場所がある。しかし、高速道路はなぜか旧街道に沿う場合が多く、一度鉄道に主要交通の座を奪われた街道がその座を取り返したような構図がある。村田もその典型的なポジションにある町で、旧奥州街道の間の宿だったのが東北本線が離れたため寂れたが、現在では東北自動車道のインターチェンジからすぐの歴史的な町となっている。
村田の町には、江戸時代から周辺で栽培される紅花を扱った商人たちが多くの館を構えた。その家々は海鼠壁をあしらった重厚な蔵造り。東北地方には数々の蔵造りのが見られるが、村田はその中でも最上級の町並みである。
関東の店蔵は江戸東京から波及した黒漆喰だけのものだが、東北地方に入ると海鼠壁スタイルが多くなる。
村田の町並みは、そろぞれの店蔵の造りが立派であることもさることながら、連なっているところがすごい。
瓦が黒いもの赤いもの、屋根が置屋根のものとそうでないものなど違いがある。

中心部の一軒が空地になっており、鰻の寝床状の敷地を側面から見ることができた。右が表通り。(下)

赤瓦で漆喰で固められた壁の瓦も赤瓦。このような赤系も良く見られる。岩手県大原など。

間口の狭い敷地に建つ雑貨屋さん。それでも関東のように建物内で通り土間を設けずあくまでも外部で中庭へ抜ける。(左上、上)

地元タクシー会社の建物。なかなかモダンで町並みに合っている。年季が入ると何でもしっくりくるものである。(左)

村田で最も絵になる場所がここ。重厚で手の込んだ店蔵が連なり向かい合っている。

店蔵のサイドに据えられている門の装飾。随所に家格を表現しようとする装飾が競うように施されたのだろう。(上)
参考資料 リンク
白石市


参考文献
『歴史遺産 日本の町並み108選を歩く』 吉田桂二 講談社
『日本の町並みV 関東・甲信越・北陸・北海道』 西村幸夫監修 平凡社