須知 丹波の様々な民家形態が見られる山陰道の宿場町

京都府
丹波町
須知本町




交通

JR山陰本線園部駅よりバス新須知下車


国道9号線



須知本町
須知(しゅうち)は丹波の高原上の市場集落で、山陰街道の宿場町として発達した。近代になって鉄道交通が整備されるが、山陰本線は園部から素直に山陰街道に沿って福知山を目指さず日吉町の方へ迂回してしまった。それによって須知は京都と山陰を結ぶ大動脈から外れ、商工業の発展が停滞してしまった。さらに主要交通手段が鉄道から自動車に変わった際、国道9号線がバイパス化された。その理由から、明治末期までに栄えた須知の町並みは現在までその面影を残している。
園部からJRバスに乗って山を上り、地形が高原状になると屋根こう配がきつい入母屋造りの丹波型の民家が現れはじめる。やがて左手に土壁が目立つ集落が見えてくるが、そこが須知宿である。町並みは約800m程度で、途中で大きく鍵形状に曲がっている。鍵形から北側が町並みの2/3で、丹波地方の特色である妻入の塗籠造りの他、入母屋平入・切妻平入の塗籠造り、丹波型草葺トタンカバー屋根など、バラエティーに富んでいる。
鍵形から南側は、中でも最も連続性がある町並みが見られる。しかし、この南側部分は近く高速道路でつぶれてしまうという。徒歩時代に栄えた町並みは、鉄道の迂回で寂れ、国道のバイパス化で残り、ついに高速道路でなくなってしまう。
鍵形の南側の町並み
丹波地方特有の切妻妻入の町家が並ぶ
ちょうどこのあたりを高速道路が横切る模様。
高速道路が通っても、宿場の中心部分は守られる模様。
入母屋平入の町家もある。
切妻平入の町家の場合、妻面に水切りの小庇が付く例が多い。
また、須知は漆喰壁も多いが、素朴な土壁のままのところも多く印象的であった。
丹波型の入母屋屋根の民家も町並みの中に混じってくる。周辺農村はこの形態の民家が集落景観を作っている。
入母屋妻入の商家
宿場の北寄り部分で道が斜め二股に分かれる場所にある民家。
参考資料 リンク
丹波町


参考文献