東舞鶴 明治・大正期の赤煉瓦倉庫群が残る軍港の町

京都府
舞鶴市

北吸
竜宮町



交通

JR舞鶴線東舞鶴駅下車徒歩




赤レンガ博物館



北吸



竜宮町



2005.10.08

若狭湾のリアス式海岸の入り江にある舞鶴市は昭和18年に旧舞鶴市(西舞鶴)と旧東舞鶴市(東舞鶴)が合併して生まれた。東舞鶴はかつては漁村であったが、明治34年に旧海軍の舞鶴鎮守府が開設され、日本海に面するわが国最初の軍港として都市計画された。河川の流路を変え、中央に格子状の街区が形成された。
海岸線には煉瓦造の旧海軍施設が次々と建てられていった。大正11年のワシントン軍縮会議で舞鶴鎮守府は廃止されたが、以降昭和20年の太平洋戦争敗戦まで軍港都市として発展した。
東舞鶴には旧海軍の施設を初めとする近代化遺産が数多く残っている。なかでも明治大正期に建てられた赤煉瓦倉庫は14棟現存しており保存活用がなされている。
また、市街の東にある竜宮町は東舞鶴の旧遊郭で、計画された街区と当時の建物が若干残っている。鎮守府が廃止になる前までは貸座敷が46軒あったようだが、昭和初期には29軒に減っている。現在はひっそりとした住宅地となっており、今や不自然な中央の大通りが遊郭時代の面影を残している。

赤レンガ博物館になっている旧海軍兵器廠魚形水雷庫。明治36年に建てられたものだが、廠魚形水雷庫のため鉄骨煉瓦造が採用されている(わが国最古)。従って柱と小屋組みは鉄骨で、レンガは非耐力壁として積まれている(1列)。内部の2階床は木造。
北吸赤煉瓦倉庫群(旧舞鶴海軍軍需部本部地区)。明治から大正期に建てられた赤煉瓦倉庫が驚くほど残っている。
構造上の問題もあり常時公開はしていないが、様々なイベントで頻繁に活用されている。
街道沿いで存在感を示す赤煉瓦倉庫。(左)

明治34年(左下)

大正10年(右下)

旧新舞鶴町竜宮遊郭。中央に大通りが通され整形に街区割がなされている。町全体は細長い形。
参考資料 リンク
舞鶴市


参考文献
『日本の町並みT 近畿・東海・北陸』 西村幸夫監修 平凡社