山鹿 温泉と水陸交通の要所として発展した町並み

熊本県
山鹿市
九日町
下町





交通

JR鹿児島本線玉名駅よりバス





山鹿





2005.07.23
2017.06.11
山鹿は熊本県北部の菊池川中流域の菊鹿盆地に位置している。山鹿の発展は、米どころ山鹿盆地の米の積み出し物資の集散に伴う市場町であったこと、古くから湯治場などとしての温泉町であったこと、菊池川の水運に伴う在町(ざいまち)であったこと、そして明治以降の地方行政の中心地であったことによる。つまり、熊本県北部における経済・交通・行政・観光の重要な位置を歴史的に占めてきた。
山鹿の旧市街は田圃の広がる平地の中の丘の上に形成されている。国道3号線を南から上っていくと菊池川に架かる山鹿大橋を渡り真っ直ぐ北へ伸びているが、旧小倉街道(旧豊前街道)は国道の東側の丘の上を通っている。山鹿の歴史的町並みはこの旧小倉街道を主軸とし、南から下町、中町、九日町、日吉町、上町と展開する。一方、旧小倉街道から東へ分岐する旧菊池往還など東西の軸にも町並みが枝を伸ばしている。
見所は、下町は「千代の園酒造」の酒蔵や商家を中心とした蔵造りの町並み、中町は商店街として看板が目立つ町並み、九日町は大正期に建てられた旧安田銀行山鹿支店などの洋館や坂の町並み、日吉町から上町にかけては丘の尾根筋に曲がる街道沿いのシークエンスのある町並み、旧菊池往還の温泉と酒蔵などである。さらに、九日町の坂を上り東に入ったところには大きな屋根を上げる芝居小屋「八千代座」(明治44年)が修復保存されていて、山鹿観光の要となっている。
上町の町並み
空地が多く家並みの連続性が途切れてしまっている部分も多いが古い町家が残っている。
上町の町並み
急カーブが大きくカーブしているところ。大きな3階建ての大正昭和初期系の建物(木造?)がアイストップとなっている。
九日町の町並み
八千代座は立派な芝居小屋である。「日本の町並み12」(第一法規)ではかなり痛んだ写真が載っていたので、近年大修理がなされたのだろう。(上)

中町方向へ下る坂の町並み。右手奥に見える近代建築は旧安田銀行山鹿支店。(左)
九日町の町並み
中町方向へ下る坂の町並み。坂下から見上げる。白漆喰が多い九州の塗屋造りだが、ここ山鹿では黒か鼠色が多い。

九日町の町並み
金剛乗寺への参道。

九日町の町並み
大正期に建てられた旧安田銀行山鹿支店。(上、左上)

旧菊池往還沿いの町並み(左中)

中町の町並み(左下)
ここにも古い建物は残っていると思われるが看板で化粧した店が多い。
中町の町並み
下町に近づくにつれて看板が元々無いのか剥ぎ取られたのか、黒あるいは鼠漆喰の町家が目立ってくる。
下町の町並み
旧小倉街道と交差する通りの町並み。
下町の町並み
最も南側、菊池川に近い町並み。
下町の町並み
千代の園酒造を中心とした下町の町並み。
下町の町並み
菊池川の土手から下町の旧小倉街道を見る。
菊池川
菊鹿盆地の米はこの菊池川の水運により大阪へ運ばれ、天下の台所の米相場を左右したと伝えられる。
丘上の夜の飲食店街
丘上の夜の飲食店街
丘上の夜の飲食店街
温泉街の中の飲食店街
参考資料 リンク
山鹿市

参考文献
『図説 日本の町並み12 南九州編』 太田博太郎他 第一法規
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社